市政へのFacebook利用、本当に有効なのか
2012年5月30日 18:22
あるAnonymous Coward 曰く、 日経新聞に「SNSで「自治体の春」はくるか」という記事が出ている。最近度々テレビで絶賛されるようになってきた、武雄市(佐賀県)のfacebook利用の取組みについて、「好意的な意見がある一方で、異論もありました」として、負の面を取り上げている。デジタルデバイドによる不公平が生ずるのではないか、それを解消しようとして、高齢者などにに自治体職員がSNS登録を手伝ったり、市民にSNS登録を義務付けるといった展開になった場合、「SNS利用を促す一方で、自治体がユーザーの発言内容や、友人との付き合いまでも把握できる」という点を懸念し、「SNSを使わない自由もあると思うのです」と結んでいる。
一方、武雄市のfacebookの取組みの効果について定量的に評価したレポートが、「武雄市Facebookページ分析から見られる、自治体がソーシャルメディアで実現できること」として、4月17日に発表されている(このレポートは、facebook活用支援サービスを事業としているSIIIS社によるもの)。レポート曰く「ファンは約1万2500人、情報の閲覧数が旧ホームページの約40倍に拡大」「およそ武雄市の全人口の1/4にあたる数がFacebookページから発信された情報を見ていることになる」という。
しかし、この評価を疑問視する声が、はてな匿名ダイアリーの4月19日のエントリ「「武雄市Facebookページ分析」を分析してみたよ」に示されていた。
これによると、「レポートでは、市民向け情報提供の成功例として、2012年2月の水道管凍結に関する注意情報が挙げられて」おり、レポートには「「いつも情報ありがとう」「シェアします」といった感謝のコメントが続いて発生していた」と書かれているが、実際にその書き込まれたコメントを確認してみると、「全国的に有効なので喚起の意味でシェアさせていただきます」「佐賀も寒いんだなぁ」「鹿児島の今朝大変な事態になりました」「名古屋でも勤務先でプラスチックの管が破裂して・・・」などと、武雄市民ではなさそうな人々のコメントが4件続いていて、市民によるものと思われるコメントは1件しかなかったという。
また、レポートが指標とした「いいね!」の数についても、実際に「いいね!」を押した人がどこの人なのか調べたところ、食育計画案のエントリにおいては、武雄市職員:13%、武雄市民:7%、それ以外:80%だったという。より住民に特化したテーマであろう「楼門朝市5周年感謝祭」についても数えたところ、武雄市職員:30%、武雄市民:13%、それ以外:57%という結果だったそうだ。
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