中国やインドの大気汚染、米国の気候に影響を与える

2012年5月30日 06:00

taraiok 曰く、 経済成長により、中国やインドでは毎年数多くの車や工場施設、そして家庭が2万トン以上の煤塵やメタンガスを排出し、そしてそれによって暗く色のついた雲が形成されるようになった。この雲は「the Asian brown cloud(アジア褐色雲)」とよばれ、世界トップクラスの汚染を象徴するものとなった。そして、米気象学者による新たな研究結果によれば、これらの汚染は排出国のみならず、遠く離れた米国の気候にまで影響を及ぼすことが明らかになった(Science本家/.)。

 中国は2000年から2006年の間に、アジア褐色雲の原因となる炭素エアロゾルの排出量を倍増させた。その結果、雲は大幅に厚くなった。これまでの研究では、このような雲の層が厚くなると地球に届く太陽光の量が減少し、地上の温度が下がることは分かっていたのだが、新たな研究では、夏季モンスーンの風を弱める役割を持ち、モンスーンの発生時期や場所を変えるという影響も発見されたという。

 これによって人工的なエルニーニョ現象が発生し、アメリカなどの国で海水温度の変化などが引き起こされるという。両国の炭素エアロゾルの排出ペースが変わらなければ、アメリカ国内の気温は2024年までに0.4℃上昇し、グリーンランド、北カナダの大部分、および南極大陸の一部は夏から冬の間、0.25℃以上冷やされることになるかもしれないという。

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