三菱重工、今治造船とコンテナ船に関して技術提携
2012年5月28日 16:59
三菱重工業は28日、今治造船(愛媛県今治市)とコンテナ船に関する技術提携協定を締結したと発表した。省エネ船舶などで三菱重工が持つ技術開発力と、今治造船の高いコスト競争力を組み合わせ、国際市場で優位な体制を築くのが狙い。両社の造船所を効率的に運用することでシリーズ船など大量商談にも柔軟に対応し、高付加価値コンテナ船事業の強化・拡大に取り組んでいく。
今回の技術提携協定は、期間3年で以降の延長も可能とした。対象はあらゆるコンテナ船で、積載能力や推進機関などについて制限を設けていない。両社は今後発生するコンテナ船建造商談について、船主側のニーズを踏まえ船型や推進機関その他の採用技術などに関する入念な検討を行い、提案をまとめ上げていく。
三菱重工は、コンテナ船では1968年に国産初となる「箱根丸」を日本郵船向けに完成させたパイオニアで、建造中を含めこれまで147隻を手掛けてきている。一方、今治造船は現在、新造船竣工量および売上高で国内トップを誇り、造船専業では大型コンテナ船まで手掛けられる数少ない存在。
三菱重工は、船舶・海洋事業の成長戦略として高付加価値製品への特化および保有関連技術を国内外へ供与するエンジニアリング事業の強化に注力している。一方、今治造船は、省エネ性能をはじめ先進的な船舶関連技術の獲得を目指しており、今回の提携は両社の思いが一致したものだという。