世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月25日

2012年5月28日 09:12

【5月25日の主要経済指標と市場の反応】

■25日はスペイン問題に対する警戒感、外国為替市場ではユーロ売り、米国株式市場は下落

  25日は、独6月GFK消費者信頼感指数、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が市場予想を上回った。

  しかし、これを好感した動きは限定的だった。スペインのカタルーニャ州の債務危機問題が伝わると、外国為替市場ではユーロ売りに転じた。

  さらに、スタンダード&プアーズ(S&P)によるスペイン銀行大手5行の格付け引き下げや、スペイン大手銀行バンキアによる190億ユーロの資金注入要請で警戒感が強まり、米国株式市場は下落した。

≪25日 日本≫

  25日は、4月全国および5月東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表された。4月全国の消費者物価指数は前年同月比0.4%上昇した。3月の同0.5%上昇に比べてやや鈍化し、市場予想と同水準だった。

  値動きが激しい生鮮食料品を除くベースでは同0.2%上昇した。3月の同0.2%上昇と同水準となり、市場予想をやや上回った。ガソリンやプロパンガスなどの燃料価格の上昇が全体を押し上げた。電気代や都市ガス代も上昇した。調査対象品目の入れ替えで2月に上昇に転じたテレビは3カ月連続で上昇した。

  5月東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食料品を除くベースで同0.8%下落した。4月の同0.5%低下に比べて市場予想以上に下落が加速した。原油価格が下落に転じたことが影響している模様だ。

  ただし、いずれも市場は反応薄だった。

≪25日 中国≫

  中国財務省はウェブサイトで、中央政府が今年、省エネ推進、温室効果ガス排出削減、再生可能エネルギーの促進に向けて、1700億元(約270億ドル)を支出する計画と伝えた。

≪25日 ユーロ圏≫

  独6月GFK消費者信頼感指数は5.7で、5月改定値の5.7(5.6から上方修正)と同水準だったが、市場予想をやや上回った。

  欧州株式市場は買い優勢でスタートし、外国為替市場でもユーロ買い戻しが優勢だった。しかしスペイン・カタルーニャ州の知事が、今年の債務借り換えに向けた選択肢が尽きつつあると述べ、中央政府の支援が必要であることが伝わると、外国為替市場ではユーロ売りが優勢となり、欧州株式市場も前日比マイナス圏に転じた。

≪25日 米国≫

  米5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は79.3となった。速報値の77.8から大幅に上方修正され、市場予想も大幅に上回った。消費者信頼感指数確報値は07年10月以来の高水準、景気現況指数は08年1月以来の高水準、消費者期待指数は07年7月以来の高水準となった。

  ただし、ギリシャのユーロ圏離脱やスペイン・カタルーニャ州の財務危機問題に対する警戒感に加えて、米国市場が3連休(26日~28日)を控えていることもあり、上方修正を好感する反応は限定的だった。

  さらに、格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がスペインの銀行大手5行の格付けを引き下げたことや、スペインの大手銀行バンキアが政府に対して190億ユーロの資金注入を要請したことなどで警戒感が強まり、米国株式市場は下落した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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