【銘柄診断】近鉄エクスプレスは続落も原油先物価格の動向次第では再騰も想定範囲内

2012年5月25日 14:02

  近鉄エクスプレス <9375> は25日、前場22円高で寄り付いたあと32円安の2552円と続落し、後場もマイナス圏で推移している。前日24日の米国市場で、原油先物(WTI)価格が、0.76ドル高の1バーレル=90.66ドルと前々日の6カ月半ぶりの安値から反発したことを反映して、同社株にも利益確定売りが優勢となっているが、今後の原油先物価格動向次第では航空運賃の下落思惑を強め、同社株に関連株買いが波及してくる可能性もあり、市場コンセンサスを上回る今3月期業績を見直した下げ過ぎ訂正展開も想定される。

  同社は、国際航空貨物混載輸送事業で国内2位に位置し、同社売り上げの60%強を占める主力となっており、原油価格高騰時は航空会社の燃油サーチャージが上昇、業績圧迫要因となっている。WTI価格は、5月23日に90ドル割れと昨年11月以来、6カ月半ぶりの安値となっており、この面での業績圧迫要因が一巡することになる。

  同社の今期業績は、欧州の金融危機懸念、新興国経済の成長率鈍化など不確定要素が多いが、米国景気が回復の兆しを強めていることから、売り上げ、経常利益は続伸を予想、純利益は、95億円(前期比0.5%減)の微減としているが、市場コンセンサスを1億円強上回る。

  株価は、年初来安値2155円から前3月期第3四半期の好決算やインドでの合弁会社設立などを評価して同高値2951円まで800円高して、円高進行や全般相場の波乱展開などで調整したが、年初来上昇幅の半値押し水準固めを続けている。PER9倍台の下げ過ぎ訂正を薄めながら売り長で逆日歩のつく信用好需給もサポートしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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