WHOおよびUNSCEARの調査報告書によると「原発事故で飛散した放射性物質による発ガンはわずか」
2012年5月24日 16:10
danceman 曰く、 Natureにそれぞれ別個に掲載された、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会およびWHO(世界保健機構)による調査報告書によれば、福島第一原発事故により飛散した放射性物質によって被曝して癌を発病する人はわずかであり、また癌を発病したとしても、原発事故に起因すると明確に特定することは難しいだろうとのこと(本家/.、Nature記事、WSJ日本版記事、朝日新聞記事)。
報告書によると、政府の年間被曝量ガイドラインを超えて被曝した人はいたものの、早い段階で避難勧告が出されたおかげで一般市民の安全は守られたとしている。心配が残るのは、原発事故後の復旧作業に携わった作業員であり、作業員らの発癌リスクは若干上がったとしている。だが先進国では癌を発病する確率がもともと高いため、作業員が将来的に癌を発病したとしても、それを原発事故に直接関連づけることはできないだろうとのこと。
一方で東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は、「短期間の日本滞在では現地の実態が見えてこないため、国際機関は急いで報告書をまとめるようなことはやめるべき」とこれら報告書に対する反発の声を上げている。
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