カカクコムは急続伸、自社株式TOBのディスカウント価格が押し上げ効果=浅妻昭治

2012年5月24日 09:52

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  カカクコム <2371> は、86円高の2350円と急続伸している。前日23日大引け後に自己株式の公開買い付け(TOB)を発表、TOB価格がディスカウントされたことが押し上げ効果を発揮し、さらに電通 <4324> と資本・業務提携を同時発表したことも好感され買い増勢となっている。

  TOBは、同社株式を20.09%保有するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、大阪市北区)から保有株の売却意向を伝えられたことに対応し、1株当たり純利益の向上や自己資本純利益率などの資本効率向上に寄与し株主への利益還元につながるとして自己株式の具体的取得方法として取締役決議された。

  TOB価格は、既存株主の利益を尊重し、資本の社外流失を可能な限り抑えるため過去1カ月間の終値平均から8.5%ディスカウントの2150円とすることでCCCと合意、買い付け株式数を145万5000株、買い付け期間を5月24日から6月20日までの20営業日、買い付け代金を31億6575万円として実施する。

  TOBは通常、TOB価格にプレミアムがつきTOBを仕掛けるサイドの株価が下がり、TOBを受けるサイドの株価が上昇するが、今回は、ディスカウントされた分だけカカクコムに有利になるとして株価続伸につながった。

  さらに電通とは、インターネット業界でさらにシナジーを生む出すために業務提携するとともに、電通がCCCの保有株の一部875万4000株(発行済み株式総数の15.06%)を取得して資本提携、第2位の株主となる。なお電通は、21円高の2250円と8営業日ぶりに反発している。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

【関連記事・情報】
三協フロンテは3連騰、業界標準は復興需要一巡を自己株式取得でカバー=浅妻昭治(2012/05/23)
ダイコク電機は連日の高値、パチンコ関連株の人気セクター化牽引に名乗り=浅妻昭治(2012/05/22)
世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月21・22日(2012/05/23)
ヤーマンは決算発表を注目ポイントに下げ過ぎを訂正し急反発(2012/05/23)

関連記事

最新記事