ALA(5-アミノレブリン酸)はレスベラトロールの躍進に続けるか

2012年5月21日 11:00

 矢野経済研究所が5月14日に発表したところによると、2011年度の健康・機能性食品素材市場は前年度比102.4%の1055億円と拡大している。グルコサミンやプラセンタ、青汁などの認知度が高い素材が堅調に推移している一方で、昨年はレスベラトロールが新たな素材として注目を浴び、市場を大きく拡大した。そうした中、ALA(5-アミノレブリン酸)が徐々に注目を集め始めている。

 ALAとは、ミトコンドリアで生成され、ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質である。コスモ石油がその量産化の技術を確立。植物に適量のALAと微量金属を与えることで、生長促進や環境ストレスへの耐性向上などさまざまな効果があることを発見し、誠和と共同で農業向け肥料の開発に取組み、世界で初めてのALAを配合した液体肥料を製品化している。ALAは、植物だけでなく動物の生体内にも含まれる天然アミノ酸であり、ミトコンドリアの機能を強化させるものの、加齢に伴い生産性が低下する。

 このALAは、ワインや焼酎粕、カイワレ大根などに含まれており、体内のエネルギー生産や免疫力アップにも役立つという。ここにかねてから目をつけていたSBIホールディングスの子会社、SBIファーマがナチュアラシリーズとして「ナチュアラ ビオ」「ナチュアラ BCAA」「ナチュアラ 黒ニンニク」の3商品を展開。「ナチュアラ ビオ」と「ナチュアラ BCAA」は共に2012年度モンドセレクション金賞を受賞し、数多のインターネットショップで見られるALA含有サプリメントの多くがこの商品である。

 SBIファーマは、バーレーン国内及び中東・アラビア湾岸地域における地域協力機構(湾岸協力会議)の域内でのALA事業の推進で、バーレーン政府と合意。その後、バーレーン国内における製品販売認可を取得したと発表するなど、ALAは諸外国でも普及が図られている成分である。日本でも「ALAサイエンスフォーラム」が発足、セミナーも度々開催されており、日・米・欧州でアンチエイジング専門医・認定医の資格を持つ医師による講演などが実施されている。

 数年前に含有サプリメントが発売開始された成分であるが、近時になって漸く注目を集め出したALA。今後、ますます商品化がすすむであろう。近時はヒット成分が生まれにくいと言われている中で、昨年のレスベラトロールのように市場を拡大することは出来るであろうか。最注目成分の1つと言えるのではないだろうか。

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