世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月17日

2012年5月20日 11:48

【5月17日の主要経済指標と市場の反応】

■17日は、日本1~3月期GDP速報値が市場予想よりも強い内容、米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は大幅悪化

  日本の12年1~3月期実質GDP速報値は、市場予想に比べて強い内容だったが、政策効果が大きく、中国の景気減速懸念などで先行きは予断を許さないなどの見方が優勢で、市場の反応は限定的だった。

  米国では、米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が大幅に悪化したため、株式市場の大幅下落、外国為替市場でのドル売り・円買いにつながった。

≪17日 日本≫

  12年1~3月期実質GDP(国内総生産)速報値は、前四半期比でプラス1.0%成長となった。3四半期連続のプラス成長で、11年10~12月期改定値の同横ばい(マイナス0.2%成長から上方修正)に比べて成長が加速した。年率換算ではプラス4.1%成長となり、前四半期のプラス0.1%成長(マイナス0.7%成長から上方修正)に比べて成長が加速した。設備投資はマイナスだったが、エコカー補助金などが個人消費を押し上げ、震災復興需要が本格化して公共投資が増加した。タイ洪水の影響が一巡したことや為替がやや円安方向に振れたことで輸出も好調だった。市場予想よりも強い内容となったが、株式市場、外国為替市場ともに反応は限定的だった。政策効果の特殊要因が大きく持続的な高成長は疑問、中国の景気減速懸念などで先行きは予断を許さない、などの見方が優勢のようだ。

  3月鉱工業生産確報値は前月比1.3%増加となり、速報値の同1.0%増加から上方修正された。市場の反応は限定的だった。

  不動産経済研究所が発表した4月の首都圏マンション発売戸数は4211戸となり、前年同月比81.7%増加した。昨年4月が東日本大震災の影響で大幅減少していた反動増に加えて、大型物件の発売が寄与した。発売月に契約した割合を示す契約率は81.8%と高水準で、14か月ぶりに80%を上回った。この発表を受けて不動産大手の株価は堅調となった。

  対外および対内証券売買契約等の状況(週間、指定報告機関ベース)によると、5月6日~12日の海外投資家による日本株投資は4週連続の売り越しだった。この週の株式市場の取引は2営業日(6日と7日)で、日経平均株価は426円94銭(4.56%)、TOPIX34.49ポイント(4.35%)下落した。

≪17日 中国≫

  中国・上海株式市場では、エコ家電などの購入補助策が発表されたことを好感し、インフラ投資拡大策に対する思惑も広がった。日本株式市場での反応は一部の銘柄にとどまった。

≪17日 ユーロ圏≫

  スペイン中期国債入札では落札利回りが上昇したが、予定額を調達したため市場の反応は限定的だった。しかし、一部国有化されたスペイン銀行大手バンキアで10億ユーロ以上の預金が流出したとの報道や、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの銀行16行の格付けを引き下げたことを受けて、株式市場、外国為替市場ともに警戒感を強めた。

≪17日 米国≫

  米新規失業保険申請件数は37.0万件となった。前週改定値の37.0万件(36.7万件から上方修正)に比べて横ばいだったが、市場予想を上回った。市場の反応は限定的だった。

  米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数はマイナス5.8となった。4月の8.5に比べて大幅悪化し、11年6月の低水準だった。市場予想も大幅に下回ったため、米景気回復の遅れに対する警戒感を強めた。

  米4月景気先行指標総合指数(コンファレンス・ボード)は前月比マイナス0.1%となり、3月の同プラス0.3%に比べて悪化した。市場予想も下回った。市場の反応は限定的だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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