世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月15日
2012年5月17日 11:21
【5月15日の主要経済指標と市場の反応】
■独1~3月期GDP成長率や米5月ニューヨーク州連銀製造業景気指数が市場予想以上に大幅改善
独12年1~3月期GDP伸び率速報値や、米5月ニューヨーク州連銀製造業景気指数が市場予想を上回った。これを好感する動きも見られた。しかしギリシャ問題に対する警戒感が強く、市場の反応は概ね限定的だった。
≪15日 日本≫
4月消費者信頼感指数(一般家庭の季節調整値)は40.0となり、3月に比べて0.3ポイント低下した。1年ぶりの悪化となった。市場は反応薄だった。
≪15日 ユーロ圏≫
独12年1~3月期GDP伸び率速報値は前期比プラス0.5%成長となった。11年10~12月期のマイナス0.2%成長に比べて大幅に改善し、市場予想も上回った。これを受けてユーロ・円相場ではユーロ買い戻しがやや優勢になった。
しかし、その後に発表された独5月ZEW景況感調査は10.8となり、4月の23.4に比べて大幅に低下し市場予想も大幅に下回った。ギリシャの政局不透明感やユーロ離脱懸念が影響した模様である。これを受けてユーロ買い戻しの動きも限定的になった。
ユーロ圏12年1~3月期GDP伸び率速報値は、前期比横ばいのゼロ成長となった。11年10~12月期のマイナス0.3%成長に比べて回復し、市場のマイナス成長予想を上回った。フランスはゼロ成長、そしてオランダ、イタリア、スペイン、ポルトガルはマイナス成長だったが、ドイツの伸びが牽引した形となり、ユーロ圏全体としてはリセッション(景気後退)入りを免れた。ただしギリシャ問題に対する警戒感が強く、市場の反応は限定的だった。
≪15日 米国≫
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいとなり、3月の同0.3%上昇に比べて鈍化したが、市場予想とほぼ同水準だった。ガソリン価格の下落が全体を押し下げた。食品・エネルギー除くコア指数は前月比0.2%上昇となり、3月の同0.2%上昇に比べて同水準で、市場予想に対してもほぼ同水準だった。米FRB(連邦準備制度理事会)が追加緩和に踏み切りやすくなったとの見方もあるようだ。
米5月ニューヨーク州連銀製造業景気指数は17.09で、4月の6.56に比べて大幅に改善し、市場予想も大幅に上回った。これを受けてドル・円相場ではドル買い・円売りがやや優勢となった。なお、6カ月先の見通しについては29.26となり、4月の43.12に比べて大幅低下したため、先行きに関しては慎重な見方も必要な模様である。
米4月小売売上高は前月比0.1%増加となった。3月改定値の同0.7%増加(同0.8%増加から下方修正)に比べて鈍化したが、市場予想とほぼ同水準だったため、市場の反応は限定的だった。
米5月NAHB住宅市場指数は29となり、4月改定値の24(25から下方修正)に比べて上昇し、市場予想も上回った。
米3月企業在庫は前月比0.3%増加となり、2月の同0.6%増加に比べて鈍化し、市場予想もやや下回った。自動車・部品は増加したが、家具・建材が減少した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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