NEC、身振りで情報を操作できるインタラクション技術を開発
2012年5月15日 16:03
NECは15日、場所や距離を意識することなく、利用者のジェスチャとプロジェクタからの映像表示を組み合わせて情報を操作できるインタラクション技術を開発したと発表した。
開発した技術は、可動機構を備えた3次元形状の計測・認識を行うカメラと、小型映像プロジェクタを組み合わせて制御するもの。具体的には、3次元形状を計測するカメラを利用して、手や指の動き、形を操作入力として認識する。これによりリモコン、マウス、キーボードなどの入力機器を利用せずに、端末間のデータ移動や編集、機器の操作などを実現する。また、小型映像プロジェクタから、キーボードや選択した写真など入力を支援する画像を机や利用者の手など様々な場所に表示し、操作結果の分かりやすい自然なインタラクションを実現する。
また、今回開発した技術では、可動する計測カメラとプロジェクタを統合制御することにより、利用者のジェスチャ動作を広範囲に追跡しながら、高精度な入力と画像の投影が可能。また、距離の離れた複数の機器に対してその場所を指定し操作することができる。
昨今拡大しているクラウドサービスにおいては、パソコンやスマートフォン、タブレット端末など情報端末の多様化が進展しているが、情報の表示はディスプレイ上に限られ、操作はリモコンやマウス、タッチ画面などの入力機器を用いて行う必要がある。しかし、同技術を利用することで、入力機器を使わずに利用者の動きで複数の機器を操作可能となり、より自然なインタラクションインターフェースを実現する。また今後は、街頭の電子看板(デジタルサイネージ)のコンテンツをジェスチャで自由に操作したり、照明やエアコンなどディスプレイを持たない機器の周辺に情報を表示して操作するなど、様々な応用技術を開発していくという。