「東京」の冠社名は株安のシグナル?株高のサイン?業績下方修正銘柄と上昇率上位銘柄が混在=浅妻昭治

2012年5月8日 10:02

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  東京海上ホールディングス <8766> が、前日7日大引け後に2012年3月期業績を一転して下方修正し、きょう8日の株価は、高寄りしたあと続落している。日経平均株価が、連休明けとともに270円安と急落し、米国の相場格言の「Sell in May and Go Away(セル・イン・メイ・アンド・ゴーアウェイ(5月に売り逃げる)」の通りに大幅調整懸念を強めている。そのなかでの東京海上HDの業績下方修正の追い討ちで、値上がり銘柄を値下がり銘柄がオ-バーするか先行きの不透明感が拭い切れない。

  前日も東証第1部の年初来安値更新銘柄が227銘柄に達し、東証第2部では値上がり銘柄はわずか44銘柄にとどまるなど不振をかこった。ところが、その急落相場のなかでも各市場で逆行高する特異的な社名の銘柄群があった。社名に「東京」と冠のつく銘柄である。

  東証1部では、東京鐵鋼 <5445> 、東京ガス <9531> 、東証2部では、東京インキ <4635> 、東京會舘 <9701> が、それぞれ値上がり率ランキング上位にランクインしたのである。もちろんこの株価上昇は、例えば東京ガスは、全原発の運転停止で同社の発電事業に見直し買いが入るなど個々の株価材料は異なるが、ことによると社名の共通性が引き金になったのではないかと憶測を呼んだ。

  そしてこの憶測を辿ると、5月22日に新規開業の「東京スカイツリー」に行き着く。この連休中も新規開業した新東名高速道路や「渋谷ヒカリエ」が、人出で賑わっており、最大のイベントの「東京スカイツリー」の前景気が高まり、投資家の頭に無意識のうちに「東京」が刷り込まれたとも拡大解釈できるというわけである。社名に「東京」の冠のつく会社は、前日に新社長人事を発表した東京電力 <9501> 、東京海上HDも含めザッと40社強あり、冠社名が、株高、株安のいずれのシグナルか試す展開が続くことになりそうだ。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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