サムスン電子、最新スマホ「GALAXY S3」を公開:4.8インチ液晶やクアッドコアCPU搭載

2012年5月7日 18:08

■オリンピック開催地ロンドンで公開、“人が中心のスマートフォン”宣言
 韓国のサムスン電子は3日(現地時間)、英ロンドンのアールズ・コート展示センターで「Samsung Mobile Unpacked 2012」というイベントを開催し、同社スマートフォン「GALAXY S」の最新モデル「GALAXY S3」を世界で初めて公開した。

 GALAXY S3では、“人が中心のスマートフォン”をコンセプトとして掲げ、使用者に親しみやすい様々な機能を搭載している。スマートフォンは、これまでハードウェアのスペックなど技術競争を中心として進化してきたが、GALAXY S3は誰でも手軽に扱うことのできる直観的でシンプルな使用感を提供することに焦点を当てた。5月29日にヨーロッパで3Gモデルとしての発売を皮きりに世界市場に流通し、韓国では6月末までに発売されるものと予想される。

 アンドロイドスマートフォンの代表格のサムスン電子のフラッグシップモデルであるGALAXY S3は、使いやすく動作も速い最先端の機能を備えた“人が中心のスマートフォン”として差別化を宣言した。

 サムスン電子は、この日公開したGALAXY S3のもっとも新しい特徴として、使用者の顔、目、声、動作を認識して作動するという人間を中心とした機能を全面的に打ち出した。

 GALAXY S3についてはこれまで、4つのプロセッサコアを集積したクアッドコアなのか、2プロセッサコアのデュアルコアなのか、あるいは4G LTE対応のみなのか、3Gモデルも打ち出すのかといった点が注目されていたが、サムスン電子はハードウェアのスペックではなく、人間を中心としたユーザー環境を第一に強調した。

 デモンストレーションでは、ユーザーの顔と目を認識して画面を見ている間は画面が消えない「スマート画面維持」機能を最初に公開し、注目を集めた。

 サムスン電子の関係者は、「ユーザーがGALAXY S3でインターネットや電子書籍を読んでいる間は画面が維持され、眠ったり見ていない場合には設定した時間の後に自動的に画面が暗くなりながらOFFになる」と説明した。

 通話、アラーム、写真撮影など様々な機能を自然な言語で制御することのできる音声認識機能「Sボイス」も紹介された。この機能は、韓国語や英語など8カ国語に対応している。この機能を使えば音楽鑑賞中でも、声で前の曲や次の曲の再生、ボリューム制御などを行うことができる。

 また、メールの受信画面からでもスマートフォンを耳に当てれば自動的にメールの宛先の人に電話をかけることができる。また、スマートフォンを手に取ると不在中の電話とメッセージを振動で知らせるといった様々なモーション認識機能も新たに登場した。

 さらに、「これまでの製品には無かった新技術によって便宜性も画期的に高まった」とサムスン電子は説明した。

 メールやインターネットサーフィンをしながらでも別の画面で映像を同時に視聴することのできる「ポップアッププレイ」も代表的な機能だ。専用のカバーと充電パッドを活用し、ケーブル無しで無線で充電する無線充電機能も備えている。

 デザインは自然の色合いと質感で、流線型の人体工学を考慮したデザインであることを強調した。

 サムスンは、「流線型のデザインとして外面上の優雅さだけでなく、手にしたときのフィット感も良くなった」と語った。重さ133g、厚さ8.55mmで、携帯するのにも便利だ。

 GALAXY S3は、人間を中心としたデザインのもとである「ミニマルオーガニック(Minimal Organic)」を反映したペブルブルー(Pebble Blue)とマーブルホワイト(Marble White)の2色展開で発売される予定。今後、様々なカラーも公開する計画だ。

 自然を収めたグラフィックとサウンドでオーガニックなUX環境も提供する。静かな湖を実際に手で触るような感覚の「波効果」の待ち受け画面と、水、風、鳥の声などの音とアラームが基本搭載されており、忙しい現代人に安らぎを与える。

 サムスン電子のスマートフォンの長所であるゴージャスなスペックも際立っている。

 GALAXY S3は、ハードウェア面でも4.8インチHD Super AMOLED液晶ディスプレイ(1280×720)とクアッドコアCPU、800万画素のカメラなど、これまでの製品より1ランクアップした仕様を備えている。

 サムスンは、「HD映像の撮影が可能な800万画素のカメラは、シャッタータイムラグを無くし、“ゼロシャッターラグ”を実現して20枚連写機能を備えている」と語った。

 この他にも、同一機種を近距離無線通信(NFC)とWi-Fiで連結すると、HD映画一本(1GB)をわずか3分で共有することのできる「SBeam」機能をはじめ、スマート機器間で映像や写真などのコンテンツを共有したり、スマートフォンの画面を無線でTVに送ることのできる機能も実現した。

 同時に2つのWi-Fチャンネルで接続し、2倍の速さで無線インターネットを利用することのできる「Wi-Fiチャンネルボンディング」機能も目を引く。

 製品価格はまだ決定されていないが、会社側は既存のGALAXY S2より上がる予定であることを明らかにした。

 サムスン電子IM担当の申宗均(シン・ジョンギュン)社長はこの日、「GALAXY S3は現存する最高の技術力と、人間中心の使用感、さらに自然を模したデザインが集約した完全に新しいスマートフォンだ。常に人間中心のスマートフォンを提供する」と語った。

 さらに、「これからのスマートフォンは人のための機器へと改善されなければならない時代だ。GALAXY S3が、スマートフォン市場にこのような変化をもたらすだろう」と強調した。また、「さらに大きくなった高画質ディスプレイと高性能カメラ、増大したバッテリー容量で、世界最高の性能を備えたスマートフォンが実現した」と説明した。

 GALAXY S3は、世界中で2千万台以上販売されたGALAXY SとGALAXY S2の後続モデルという点で関心が寄せられていた。

 今年に入り、世界のスマートフォン市場だけでなく、携帯電話市場でも14年間中核を担ってきたノキアを抑えて1位に浮上したサムスン電子は、オリンピックのスポンサーを務めるスマートフォンとして発売されるGALAXY S3のマーケティング効果を最大限にするため、7月のオリンピック開催地のロンドンをGALAXY S3の最初の公開場所として選定した。(翻訳:萩庭雅美)

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