【海運関連特集(2)】堅調な荷動きと、運賃レベルの緩やかな修復を想定

2012年5月6日 10:58

■各社とも現状水準であれば増収増益が期待

  世界的に景気の底入れを期待し、コンテナ船、自動車船、ドライバルク船などで荷動きや運賃の回復を見込んでいる。自動車船では、タイ洪水被害の影響で停滞した自動車関連の海上輸送が正常化することも寄与する。為替の円高進行や原油高に伴う燃料費の高止まりが懸念要因だが、いずれも現状水準であれば増収増益が期待できそうだ。

  セグメント別の経常利益見通しを見ると、定期船(コンテナ船)事業は、日本郵船 <9101> が前期比417億円改善して30億円の赤字、商船三井 <9104> が同219億円改善して80億円の赤字、川崎汽船 <9107> が同388億円改善して30億円の赤字見通しとなっている。

■収益は改善する見通し

  需給ギャップの解消には時間を要するため、各社とも通期では赤字が残る模様だが、緩やかな世界景気の回復を背景として、堅調な荷動きと、運賃レベルの緩やかな修復を想定している。さらに減速航行による燃料費削減や、航路再編などのコスト削減努力も寄与して、収益が改善する見通しとなっている。

  不定期専用船事業は、日本郵船が同277億円改善して200億円、商船三井が同139億円改善して70億円、川崎汽船が同206億円改善して120億円の見通しとなっている。

  ドライバルク船の市況については、新造船竣工圧力などで需給ギャップ解消に時間を要する模様だが、新興国向けの鉄鉱石、石炭、穀物の荷動きが堅調であり、足元の低調な市況から徐々に脱するとしている。また原油タンカー市況が回復傾向であり、自然災害の影響一巡で自動車輸送台数の増加が期待できるとしている。さらに、傭船解約や老齢船処分などによる船隊の整理・最適化などのコスト削減も寄与する模様だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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