【海運関連特集(1)】海運業界大手3社の動向を探る
2012年5月6日 10:58
■海運セクターの13年3月期は収益改善の見通し
海運業界大手3社、日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> の12年3月期連結決算、および13年3月期連結業績見通しが出揃った。
12年3月期の連結業績は3社とも減収となり、営業利益、経常利益、純利益は、いずれも大幅な赤字に転落した。
定期船(コンテナ船)、不定期専用船(自動車船、ドライバルク船、油送船、LNG船)の運賃が概ね低迷したことが主因である。米国を中心とする世界的な景気回復遅れ、価格高止まりを背景とする原油・鉄鉱石・石炭などの数量変動、さらに東日本大震災やタイ洪水という自然災害の影響などで、荷動きが低迷したうえに、新造船の大量竣工に伴って船腹過剰感が強まった。
コンテナ船では、特にアジア・欧州航路(往航)の運賃が大幅に下落した。ドライバルク船の市況は、11年夏以降に上昇に転じる場面もあったが、12年初から再び下落に転じた。
為替の急激な円高進行もマイナス要因となり、原油高に伴う燃料価格の上昇がコストアップ要因となった。純利益段階では、繰延税金資産取崩、投資有価証券評価損、海外子会社外貨建て借入為替評価損なども減益要因だった。
13年3月期については、3社とも増収、そして営業利益、経常利益、純利益の黒字化を見込んでいる。営業利益で見れば、日本郵船が前期比741億円改善して500億円、商船三井が同404億円改善して160億円、川崎汽船が同565億円改善して160億円の見通しとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【決算情報】企業を取り巻くあらゆる要素が企業々績に集約(2012/04/10)
・【高配当利回り銘柄特集】底値圏のマーケットで注目される(2012/04/10)
・二の矢、三の矢のシナリオで東証1部指定替え候補の2部株にアプローチ=浅妻昭治(2012/05/01)
・【注目の決算発表】富士フイルムHDは安値から反発、増益転換予想で下げ過ぎ訂正(2012/05/01)