住商と東京ガス、米国産LNG調達に向けて米ドミニオン社と協議開始

2012年5月1日 00:40

 住友商事と東京ガスは27日、住友商事が米国メリーランド州コーブポイントLNGプロジェクトの事業主であるDominion Cove Point LNG社(ドミニオンコーブポイントLNG社)と天然ガス液化加工契約の主要条件を取り決めた先行契約を締結し、最終合意に向けた協議を開始した事を受け、今後住友商事・東京ガス両社共同でドミニオン社と協議することで合意したと発表した。

 同プロジェクトは、ドミニオン社がLNGを受け入れる基地として保有・操業しているコーブポイントLNG受入基地(米メリーランド州)にLNG液化プラントを新たに建設し、米国内で生産されるシェールガスをはじめとした天然ガスを精製・液化してLNGとしての輸出を可能にするもの。ドミニオン社と液化加工契約締結をした事業者は、自らが調達した米国産天然ガスを同プロジェクトのLNG液化プラントで液化し、LNGを引き取ることができる。先行契約で取り決めた天然ガス液化加工契約の主要条件は、契約数量が約230万トン/年(LNG換算)、契約期間はLNG液化プラントの運転開始から20年間。

 ドミニオン社は今後、日本をはじめとする米国とのFTA(自由貿易協定)非締結国向けのLNG輸出許可やプラント建設承認、同プロジェクトの最終投資決定などを経てLNG液化プラントの建設を開始し、2017年に同プロジェクトの運転開始を目指している。

 住友商事と東京ガスはこれまで、米国での天然ガス事業ならびに日本へのLNG輸入に関する協業について検討を行ってきており、今回住友商事が先行契約を締結したことを受けて、住友商事と東京ガスの両社でドミニオン社との協議を共同で進めることを決めた。

 なお、液化加工するための天然ガスは、住友商事が同プロジェクト近郊で参画しているマーセラス・シェールガス開発プロジェクトなどからの調達を予定しており、実現に至った場合は、シェールガスを含む米国産天然ガス由来のLNGを日本に輸入することとなる。

 住友商事は、2009年に日本企業として初めて米国シェールガス開発への参画を果たし、現在マーセラス・シェールガス権益を含む2つの権益を保有している。また、100パーセント子会社であるPacific Summit Energy社(パシフィック・サミット・エナジー社)が米国内でガストレーディング・マーケティング事業も手掛けており、今回のプロジェクトが最終合意に至れば、ガス上流開発から流通、液化、LNG輸出まで、米国における天然ガス・LNGのバリューチェーンの構築が可能になる。

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