膠着相場続く、決算発表見守る展開=犬丸正寛の相場展望

2012年4月27日 17:32

★中小型・好業績銘柄には高人気も

  日経平均は4月11日の9388円と4月13日の9690円の間でのモミ合いとなっている。「膠着状態」というのが当っているだろう。来週(4月30日~5月4日)は、連休の谷間で5月1日(火)と2日(水)の2日間しか立会いがない。2日間でモミ合いを大きく上放れることは難しいだろう。『連休明けの相場を待つ』展開とみられる。

  連休明けは、3月期決算の発表が本格化。とくに、大型の主力銘柄の発表が控えている。タイ洪水影響の一巡、一時の激しい円高の終束、ユーロ不安の落ち着き、東日本震災復興など、企業業績にとってプラス効果はある。

  しかし、一方でユーロの信用不安は落ち着いても欧州の経済自体に活気は戻っていない。バブル崩壊後20数年の日本がいまだに経済停滞に見舞われているように欧州もこれから長い停滞が続く可能性は否定できない。原油価格も高いままで新興国の経済を圧迫している。さらに、日本では原油高に加え、電力料金も上がる。経営者は先行きに対し、楽観的にはなり難いと思われる。

  このため、日銀による「物価1%上昇めど」政策で、さらなる金融緩和が予想される。しかし、この点についても今年2月のときは意外性があったものの、今度は意外性ということでは、相場へのインパクトは期待できないだろう。むしろ、電力料金上昇の影響を金融緩和でどこまでハネ返すことができるかを静かに見守るものとみられる。

  こういうときに追い討ちをかけて消費税の引き上げが決まれば経済をさらに冷え込ませる心配がある。消費税上げに反対する小沢元代表が無罪となったことで、消費税反対の動きが強まるかどうか注目される。

  企業業績を取り巻く環境の厳しさに加え政局の不透明からマーケットは本格的には動き難いとみるべきだろう。ただ、その分、中小型の好業績銘柄に買い人気の高まることが予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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