日立がmicroSDカードサイズに小型化のモバイル認証デバイス販売

2012年4月24日 11:00

 日立製作所が、microSDカードサイズへと小型化したモバイル認証デバイス「KeyMobileMSD(キーモバイル・エムエスディー)」を開発し、4月25日から販売すると発表。同社から発売されるMicrosoft WindowsOSを搭載したモバイルノートPCとタブレットPC向けにも本製品を適用する。

 新製品は、金融機関などのICカードに用いられる耐タンパ性(外部からの内部解析や改変といった攻撃に強いこと)に優れたセキュリティレベルの高いICチップとフラッシュメモリーを搭載したmicroSDカードサイズの認証デバイス。ICチップ内にPKI(公開鍵暗号基盤)機能で使用する電子証明書の格納やPINの設定ができる。

 また、microSDカードサイズと小型であるため、モバイルノートPCをはじめ、スマートフォンやタブレットPCなどのスマートデバイスへも適用が可能となっている。その為、モバイル端末に搭載することにより、外出先などでのモバイル端末利用時におけるセキュリティ強化を実現。また、モバイル端末の紛失や盗難の場合には、電子証明書をリモート操作で失効させ、不正アクセスやなりすましを防ぐことができる。さらに、業務データやドキュメントなどを保存する通常のメモリーカードとしても使用可能だ。

 ノークリサーチによると、2011年の国内クラウド市場は686.9億円。これが2013年には1145.7億円、2015年には1823億円と予測されているなど、順調な拡大が予想されている。この拡大と相俟って、自宅や外出先などのモバイル環境から業務システムへアクセスする機会が増えている一方、不正アクセスやなりすまし、紛失や盗難といったセキュリティ面への懸念も高まっている。この懸念を表するかのように、IDCJapanによると、2010年の国内モバイルセキュリティ市場規模は23億円、2010年~2015年の年間平均成長率は32.2%、2015年には93億円と予測されている。今回の新製品は、この数字を裏付けるような普及をみせるのであろうか。利便性とセキュリティ、ともすれば相反する2つであるが、今後もどちらか一方に偏らない開発を期待したい。

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