パイオニア・アノマリーの原因が解明される

2012年4月21日 19:21

天文学上の謎とされてきた「パイオニア・アノマリー」の原因が、米ジェット推進研究所(JPL)の研究者らにより解明された。探査機の放出する熱が原因とする説を裏付けるもので、データに含まれる速度変化の要因はすべて説明がつくという(arXiv:1204.2507惑星協会のブログ記事本家/.)。

パイオニア・アノマリーは、太陽系からの脱出軌道上にある惑星探査機パイオニア10号・11号が、太陽の重力から計算される減速量よりもわずかに多く減速している現象。JPLは磁気テープに記録されていたドップラーデータ19年分以上を復元・分析し、探査機の設計図を元に熱放射の3Dモデルを書き起こしたという。それぞれの分析結果を比較したところ、ドップラーデータのアノマリーのうち、パラボラアンテナの裏面で反射した原子力電池の熱によるものが35%、探査機前方に放射された電子部品の熱によるものが45%だったそうだ。残りの20%についてはドップラーデータのノイズや、原子力電池のコーティングの変化により放射される熱が増加したことが原因だという。これらの要素を加えて計算すると、統計上無視できないほどのアノマリーは残らないとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | スラッシュバック | サイエンス | 宇宙 | NASA

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