セコム、中国・上海でシニアレジデンス事業を展開

2012年4月19日 12:11

 セコムは18日、同社のグループ会社でメディカル事業の中核を担うセコム医療システムが、中国・上海市浦東新区に上海陸家嘴(シャンハイルージィァズイ)金融貿易区開発股份有限公司と合弁会社を設立し、シニアレジデンス(高級有料老人ホーム)「金色阳光(ジンスゥヤングアン)」を新たに建設、運営を共同で行うことで基本合意し、意向書を取り交わしたと発表した。金色陽光プロジェクトは、上海市浦東新区中心部にあり、延床面積が約2万m2、竣工後居室数120室、介護居室は8室となり、2015年に運営を開始する予定。

 医療・介護領域を担うセコム医療システムは、訪問看護・介護、医療機関の運営支援、シニアレジデンスの運営など、幅広く事業を展開している。セコム医療システムは、シニアレジデンスや介護付有料老人ホームの運営で培った経営・サービスノウハウを国内にとどめず、今後海外にも展開していくことを計画。その最初の取り組みとして、高齢化が急速に進む中国の中でもとりわけ高齢化率が高い上海で、現地有力企業である陸家嘴と合弁で最高級のシニアレジデンスを建設・運営することとなった。

 高級有料老人ホーム「金色阳光」では、セコムのシニアレジデンスのサービスノウハウを基に医療、介護、食事など高品質なサービスを、中国・上海の地域特性を加味した上で提供する。また、セキュリティのパイオニアであるセコムならではの高齢者の操作性に配慮した使いやすいセキュリティシステムを導入する。

 現在、セコム医療システムと陸家嘴との間で合弁会社(本社:上海市)設立に向けた具体的な協議を進めているという。基本的な枠組みとしては、土地・建物は陸家嘴が保有し、セコム医療システムが合弁会社を通じて居室の販売と施設の運営全般を担当する。合弁会社の資本金については数億円~10数億円程度を想定しており、セコム医療システムが70%以上を出資することで合意している。

 なお、セコム医療システムは合弁会社設立に先立ち、すでに包括的なコンサルティング契約を陸家嘴と締結し、設計はもとよりサービス内容、人事管理、マーケティングなどの分野でコンサルティングを実施している。セコム医療システムは、今回のシニアレジデンスの事業開始を皮切りに、陸家嘴と協業して、中国・上海市おいて医療サービス事業や健康・予防サービス事業の展開も視野に入れて取り組んでいく方針。

 セコム医療システムは、1996年にシニアレジデンス「サクラビア成城」(東京都世田谷区)の開設を皮切りに「ロイヤルライフ多摩」(東京都町田市)を運営。また、セコム医療システムのグループ会社であるセコムフォートとセコムフォートウエストではシニアレジデンス「コンフォートガーデンあざみ野」(神奈川県横浜市)、「コンフォートヒルズ六甲」(兵庫県神戸市)を運営している。そして、アライブメディケアでは東京、神奈川で合計8施設の介護付有料老人ホーム「アライブ」シリーズを運営し、いずれも日本のトップブランドクラスの高い評価を得ている。

 一方、陸家嘴は、「中国人民共和国公司法」に従い、1990年8月30日に中国・上海市にて設立し、1994年に上海証券取引所市場に上場した不動者開発企業。主に、浦東新区陸家嘴金融貿易区約1.51平米キロの土地の開発・総合運営を担当している。陸家嘴は不動産一級開発資格を持っている。現在同地区に完成すれば中国一高いビルになる127階建て632mの超高層ビル「上海タワー」の建設を手がけている。

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