富士ゼロックスが上海に中国オフィスを設立、現地の商品開発力を強化

2012年4月18日 16:48

 富士フイルムグループの富士ゼロックスは18日、変化に富み成長著しい中国市場のニーズをタイムリーにとらえ、顧客の要求する商品を開発・提供するため、主に複合機を生産している富士ゼロックス上海(本社:中国・上海市)において、中国市場向け商品の開発機能を強化すると発表した。

 現地の中国人開発者を教育し、現在の約30人から2013年までに70人に増強する。それに先立ち、開発活動を支援する「中国オフィス」を4月1日付で設立した。これらの開発機能強化策により、中国において2013年までに、同時に3機種を開発できる体制を目指す。

 具体的には、日本の開発機能のうち、中国市場における中小規模事業所(SMB)向け商品、特にA3モノクロ複合機の企画・開発機能を富士ゼロックス上海にて強化する。これまで中国市場向けには、日本で企画・開発されたワールドワイド商品のローカライズを行ってきたが、市場に近接する上海において商品の企画から開発までを行い、中国市場のニーズにより適合した商品を提供することを狙う。

 「中国オフィス」は富士ゼロックスの現地販売会社、富士ゼロックスチャイナ(本社: 中国・北京市)の組織として設立、品質・技術サポート・マーケティング・知的財産機能などを有する。中国現地において、市場が求める性能や品質といった、開発に有益な情報収集を行い、それを速やかに富士ゼロックス上海や日本の開発機能に伝えることにより、開発の質・スピードの向上を促進する。

 さらに、富士ゼロックス上海に所属する中国人社員の経営幹部候補、および開発者の教育を行う。同社では2年前から次世代経営人材育成プログラム「Challenge to Senior Management Program」を実施しているが、開発をリーディングできる現地社員を育成するため、新たに商品開発教育プログラムを開始した。同プログラムでは、開発の本拠地、富士ゼロックスR&Dスクエア(横浜市)において、日本人開発社員とともに働きながら先進的な開発スキルを習得するほか、日本語の教育も行うことでコミュニケーション力を強化し、開発社員同士のネットワークを構築する。従来日本人が務めてきた開発マネジメント層である「開発リーダー」も育成、富士ゼロックス上海における開発活動を指導していく。同プログラムにより、現在在籍する開発社員約30人を、2年間で70人まで増強する予定。

 これまで富士ゼロックスは、中国において生産・販売活動を中心に展開してきたが、今回商品企画・開発を現地化することにより、全バリューチェーンにおいて機能の増強を図る。現地人材の育成に取り組むとともに、中国事業の成長を目指し、また現地が求める商品を開発していくことで中国社会の発展に貢献していく。

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