伊藤忠、国内グループ会社を対象としたハイブリッドクラウド環境を構築
2012年4月13日 15:36
伊藤忠商事は13日、伊藤忠商事のグループ会社で、システム構築や運用サービスを手掛ける伊藤忠テクノソリューションズの協力のもと、国内グループ企業を対象としたハイブリッドクラウド環境を構築することを決定したと発表した。
ハイブリッドクラウドとは、共有リソースを利用し汎用性に優れた「パブリッククラウド」と、専用リソースを利用し自由度の高い構築が可能な「プライベートクラウド」を組み合わせたクラウドの事で、導入企業はそれぞれの特長を生かして各社のニーズや事情に合わせた柔軟性の高いITインフラの整備が可能となる。
伊藤忠商事の国内グループ企業は約150社あるが、これまで各企業は自社のITインフラ整備にあたり必要なサーバーを個別に調達・運用している状況だった。これを仮想化・集約化してグループ全体で共同利用する事により、情報通信経費の削減と運用品質の平準化を図る。
加えて、昨年に発生した東日本大震災を契機として大規模災害対策はグループ全体で大きな課題となっていたが、この課題の解決を支えるインフラの提供も目的としている。BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)においては、ITインフラの整備が一つの大きな検討要素となるが、グループ企業の中には人材や経費が限られ、最適な環境整備が難しい企業も存在していた。伊藤忠商事は従来からBCPを見据えた環境整備を進めており、現在は神戸と横浜の2ヶ所のデータセンターにサーバーを設置し、相互にバックアップが可能な運用を行っている。今回の計画でもこの考えを踏襲するため、人材や経費が限られるグループ企業でも、手軽に低コストで信頼性の高い環境の利用が可能となる。
伊藤忠は、今年4月から順次グループ企業への提案を開始している。ハイブリッドクラウド環境の稼動は2012年7月を予定しており、段階的にクラウド環境へ移行していく計画。具体的には、約500台のサーバーを5年間で100台に集約化することを目標としている。