JR東日本、2012年度設備投資計画を発表 前年度比1000億円増の3950億円
2012年4月13日 12:37
JR東日本は12日、2012年度の設備投資計画を発表した。設備投資額は、2011年度計画比1,000億円増の3,950億円を計画している。従来から取り組んできた安全性の向上や顧客満足の向上、将来の成長のための設備投資を着実に推進するとともに、災害に強い鉄道を目指し、震災からの復興と東日本大震災を踏まえた新たな課題に重点的に取り組んでいく方針。
具体的には、高架橋柱や橋脚、駅の耐震補強について、整備対象を拡大し、ペースを早めて実施するとともに、新たに首都直下地震に備えた盛土の補強や電化柱倒壊対策等に着手する。また、地震計を増設する等、地震観測体制の更なる強化を図る。また、ATS-P・Ps整備、踏切事故対策などの安全対策を着実に進める。山手線で整備を進めているホームドアについては、大崎、池袋の2駅で新たに使用開始する。
新幹線ネットワークの拡大を目指し、東北新幹線用にE5系車両を引き続き投入し、2012年度末までに一部列車の最高速度を国内最速となる時速320kmに引き上げて運転する。また、秋田新幹線用にE6系新型車両を投入し、最高時速300kmでの営業運転を開始する。さらに、顧客満足の向上に向け、常磐線に新型特急車両(E657系)を引き続き投入する。通勤型電車E233系車両については、東海道線、宇都宮線、高崎線へ投入を進めるとともに、埼京線及び横浜線への投入に向けた準備を進める。
東北縦貫線については、2013年度の開業に向けて工事を進めてきたが、東日本大震災の影響等により工事計画を一部変更し、2014年度の開業を目指して工事を進めていく。
「Tokyo Station City」として東京駅周辺で整備を進めている計画のうち、東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事が完成し、駅施設と東京ステーションホテル、東京ステーションギャラリーを開業する。また、八重洲エリアでは、グラントウキョウノースタワーⅡ期を開業する。そのほか、JR南新宿ビル、神田万世橋ビル(仮称)、鶴見駅ビル(シァル鶴見)、東中野駅西口駅ビル(仮称)を開業する。
Suicaについては、電子マネーの利用可能箇所を増やすとともに、交通系ICカードの相互利用サービス拡大に向けた準備を進める。また、環境保全技術を取り入れた省エネルギー型の駅「エコステ」のモデル駅として、新たに京葉線海浜幕張駅等の整備を進める。