三菱商事など3社、EVを用いたスマートグリッド実証実験装置を稼動開始

2012年4月12日 16:56

 三菱商事、三菱自動車工業及び三菱電機は12日、「けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクト」の一つとして、東京工業大学の指導を受けながら、電気自動車(EV)に搭載された蓄電池を活用し工場施設の電力需要平準化を行うスマートグリッド実証実験装置「M-tech Labo」を完成させ、稼動を開始したと発表した。

 「M-tech Labo」は太陽光発電システム20kW、放電可能なEV5台、EVから回収されたリユース蓄電池80kWhにて構成されている。

 今回の実証実験では、出力が不安定な再生可能エネルギーや夜間電力を蓄電池に充電することで、工場やオフィスの電力需要がピークを迎える時間帯に供給し、電力需要の平準化を実現することを目的としている。また蓄電池も専用の高価な蓄電池を使用するのでなく、EVあるいはEVより回収されるリユース蓄電池を活用することでコストを抑え、環境に優しい再生可能エネルギーおよびEVが普及するよう促進していく考え。

 具体的な実験内容は、(1)実験装置から生み出される最大50kWの電力を用い、三菱自動車名古屋製作所内にある生産本館の電力変動低減(変動幅180kWの33%低減を目標)、(2)EVユーザーの利用を妨げることなく利用可能な放電容量およびその時間帯を統合するシステムEIS(Electric Vehicle Integration System)の有効性確認を行い、これらの効果を1年間かけて検証していく。

 三菱商事、三菱自動車、三菱電機の3社は、各社の役割分担にて互いに連携して実験を進めていくとともに、ここで得られた知見を持続可能な社会実現のために活用していく方針。なお、三菱商事は「EV蓄電池、リユース蓄電池を活用した電力関連事業の検討」、三菱自動車は「充放電がEVに与える影響および、EVから出力が必要な車両側情報を調査」、三菱電機は「EV蓄電池、リユース蓄電池を効率的に利用できるシステムの検証」をそれぞれ実施する。

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