【銘柄診断】ビックカメラは結売上高8000億円、連結経常利益400億円を目標

2012年4月8日 09:07

【家電量販店銘柄診断】

  ビックカメラ <3048> (東1)は、主要ターミナル駅前立地型店舗で、首都圏を中心に全国展開している。06年にはソフマップを子会社化(10年に完全子会社化)し、08年にはベスト電器 <8175> (東1)を持分法適用子会社化した。また日本BS放送も連結子会社である。

  11年8月末時点の拠点数は、直営34店舗(地域別には、首都圏に24店舗、福岡に2店舗、札幌・新潟・浜松・名古屋・京都・大阪・岡山・鹿児島に各1店舗)である。

  12年8月期通期の連結業績見通しは、売上高が前期比3%減の5950億円、営業利益が同横ばいの200億円、経常利益が同1%増の225億円、純利益が同38%増の125億円としている。純利益については特別損失の減少が寄与する模様だ。予想EPS(1株利益)は7277円77銭、年間配当は1000円(第2四半期末500円、期末500円)としている。

  ただし、薄型テレビの売上減少が想定以上のため、下振れの可能性が高い模様である。

  月次売上動向(POSデータに基づく速報値ベース)を見ると、全店売上(前年比)は、10年9月103.9%、10月112.3%、11月145.0%、12月90.0%、11年1月93.2%、2月97.8%、3月87.9%、4月96.8%、5月97.2%、6月107.2%、7月106.6%、8月80.2%、9月79.8%、10月74.5%、11月55.8%、12月91.4%、12年1月87.6%、2月87.3%となっている。

  足元では、地デジ化特需の反動で薄型テレビとレコーダー、タイ洪水の影響でカメラが低調な模様である。一方で、エアコン、照明器具、パソコンなどが堅調な模様である。

  薄型テレビの需要減少に対する12年8月期の取り組みとしては、LED照明などの省エネ家電製品、スマートフォンやタブレット端末などに重点を置いて、販売を強化するとしている。

  また中期的には「都市型」×「駅前」×「大型」店舗を中心とした展開で、連結売上高8000億円、連結経常利益400億円を目標としている。

  株価の動きを見ると、11年秋の安値圏4万円割れ水準で下値を固め、26週移動平均線を回復して、緩やかに戻り歩調の展開だった。しかし足元では、12年8月期通期の連結業績見通しの下振れ懸念で売られる場面もあり、4万円台前半のレンジでモミ合う展開となっている。

  足元の株価水準を指標面で見ると、12年8月期会社予想ベースの連結予想PERは5~6倍近辺(ただし下振れの可能性に注意必要)、予想配当利回りは2%台前半、11年9月期連結BPS(1株当たり純資産4万1596円55銭)ベースの実績PBRは1倍近辺の水準である。需給面では信用倍率(3月30日時点)が0.5倍近辺である。

  当面は26週移動平均線の維持がポイントになるが、足元の調整局面で12年8月期通期の連結業績見通しの下振れ懸念を、ある程度は織り込んだと考えられる。したがって11年9月~12年2月累計決算発表で、通期見通しの下方修正が正式発表になれば、悪材料出尽くし感につながり、13年9月期の収益改善に向けた期待感が優勢になる可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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