【銘柄診断】エディオンは「エコ・リビングソーラー」ビジネスを成長分野と位置付け事業展開加速
2012年4月8日 08:31
【家電量販店銘柄診断】
エディオン <2730> (東1)は02年3月に、中国・四国・九州が地盤のデオデオと中部が地盤のエイデンが経営統合し、持株会社として発足した。その後は、近畿が地盤のミドリ電化、関東が地盤の石丸電気、北海道・北陸が地盤のサンキューなどを子会社化して、直営店とFC店で全国展開している。
10年10月にはグループ再編を実施した。現在は親会社エディオンが「イシマル」「エイデン」「ミドリ」「デオデオ」店舗を展開し、子会社サンキューが「100満ボルト」店舗を展開する形となっている。なお、サッカーJ1のサンフレッチェ広島を持分法適用会社としている。
月次売上動向(POSデータに基づく速報値ベース)を見ると、直営既存店売上(前年比)(四半期ベース)は、11年4月~6月期111.3%、7月~9月期81.6%、10月~12月期61.6%となっている。
直営全店売上(前年比)は、11年4月97.5%、5月110.7%、6月124.2%、7月108.1%、8月64.6%、9月69.4%、10月59.7%、11月41.5%、12月100.4%、12年1月87.6%、2月82.4%となっている。
薄型テレビとDVDは11年8月以降、地デジ化特需の反動で大幅減少が続いている。ただし足元では、エアコンと携帯電話が堅調な模様である。
12年2月末時点の店舗数(携帯電話専門店やソフト専門店などの非家電店を含む)は、エディオンが1073、エディオンコミュニケーションズ(携帯電話専門店)が45、サンキューが49、グループ合計が1167(直営家電店350、直営非家電店73、FC店744)である。
12年3月期通期の連結業績見通しは、売上高が前期比15%減の7700億円、営業利益が同54%減の120億円、経常利益が同45%減の190億円、純利益が同69%減の50億円で、予想EPS(1株利益)は48円55銭、年間配当は20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。
家電エコポイント特需や地デジ化特需の反動減に加えて、デジタル家電の販売価格下落の影響などで減収、営業減益の見通しである。
12年2月16日に、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)に該当するとして、公正取引委員会から排除措置命令および課徴金(約40億円)納付命令を受けたため、特別損失として約40億円を計上する。なお12年3月7日に、公正取引委員会に対して、審判請求および排除措置命令の執行免除申立を行っている。
薄型テレビの需要減少に対しては、太陽光発電システム、オール電化、リフォームなどを扱う「エコ・リビングソーラー」ビジネスを成長分野と位置付けて、事業展開を加速させる模様だ。
株価の動きを見ると、11年秋以降は大勢として、550円近辺~650円近辺の安値圏でのボックス展開が続いている。足元では26週移動平均線が戻りを圧迫する形となり、600円を割り込む水準で底練り展開となっている。
足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期会社見通しベースの予想PERは11~12倍近辺、予想配当利回りは3%台半ば、11年3月期BPS(1株当たり純資産1376円18銭)ベースの実績PBRは0.4倍台の水準である。需給面では信用倍率(3月30日時点)が6倍近辺である。
550円台を割り込まなければ、下値固め完了は近いだろう。当面は26週移動平均線の突破がポイントだが、12年3月期通期の業績悪化懸念については、ある程度は織り込み済みと考えられるだけに、12年3月期の決算発表で悪材料出尽くしとなり、13年3月期後半の収益改善に向けた期待で、反発の可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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