【銘柄診断】ケーズホールディングスはドミナント出店戦略とS&Pによる店舗の大型化を推進
2012年4月8日 08:31
【家電量販店銘柄診断】
ケーズホールディングス <8282> (東1)は関東圏を地盤とし、連結子会社のデンコードーが北海道・東北圏、ギガスが中京・東海圏、関西ケーズデンキが関西圏、ビッグ・エスが中国・四国圏、北越ケーズが上信越・北陸圏、九州ケーズデンキが九州圏で、ロードサイド立地型を中心として店舗展開している。
12年3月期通期の連結業績見通しは、売上高が前期比1%減の7600億円、営業利益が同8%減の376億円、経常利益が同8%減の454億円、純利益が同10%増の257億円としている。純利益については前期に計上した震災関連の特別損失一巡が寄与する模様だ。予想EPS(1株利益)は471円65銭、年間配当は60.0円(第2四半期末30.0円、期末30.0円)としている。
月次売上動向(POSデータに基づく速報値ベース)を見ると、グループ合計既存店売上(前年比)は、11年4月111.8%、5月117.1%、6月134.2%、7月107.8%、8月71.9%、9月75.1%、10月62.7%、11月38.9%、12月104.8%、12年1月92.6%、2月89.3%となっている。
グループ合計全店売上(前年比)は、11年4月119.2%、5月124.6%、6月141.9%、7月117.3%、8月77.5%、9月80.4%、10月68.1%、11月42.2%、12月114.1%、12年1月100.4%、2月96.6%となっている。
足元では、地デジ化特需の反動減で、薄型テレビやブルーレイ・DVDの不振が続いているが、エアコンや白物家電が堅調な模様である。
12年2月末時点の家電専門店(アウトレット店などを除く)は、380店舗(ケーズホールディングス114店舗、子会社256店舗、FC10店舗)となっている。
「がんばらない経営(=無理をしない堅実な経営)」を掲げて、企業規模の拡大と収益性の安定とのバランスの良い成長を基本戦略としている。さらに「ポイント制度」を導入せずに、その場での「現金値引き」を実施していることも特徴である。
店舗戦略としては、ドミナント出店戦略と、S&P(スクラップ・アンド・ビルド)による店舗の大型化を進めている。
株価の動きを見ると、昨年秋の戻り高値圏3400円近辺から反落し、その後は13週移動平均線が戻りを圧迫する形となって、上値を切り下げる展開である。自己株式取得(2月6日に発表、上限150万株)を好感して動意付く場面もあったが、足元では2600円~2800円近辺でモミ合う展開となっている。
足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期会社予想ベースの連結予想PERは5~6倍近辺、予想配当利回りは2%台前半、11年3月期BPS(1株当たり純資産2333円88銭)ベースの実績PBRは1倍台前半の水準である。需給面では信用倍率(3月30日時点)が2倍近辺である。
当面は下値固め、そして13週移動平均線、26週移動平均線の突破がポイントになるだろう。ただし、12年3月期通期の業績悪化懸念については、ある程度は織り込み済みと考えられるだけに、12年3月期の決算発表で悪材料出尽くし感につながり、13年3月期後半の収益改善に向けた期待で、反発の可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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