技術の進歩により身体の障害は乗り越えられる?
2012年3月29日 10:50
ある Anonymous Coward 曰く、
MIT メディア・ラボの Hugh Herr 教授は、国内メディアでも取り上げられたことがある有名人だ。彼は登山家としても有名であったが、1982 年にハンチントン渓谷の登頂時に凍傷により膝から下を失ってしまう。しかし、MIT でバイオメカニクスの研究を行っていた彼は、自らの手でコンピューター制御可能な義足を設計、わずか数か月で再び登頂にチャレンジし、そして成功させた (TechWeekEurope UK の記事、本家 /. 記事より) 。
アメリカでは戦場で負傷し、教授と同様の障害を持つ退役軍人を支援する必要性が指摘されているが、教授は技術の進歩により身体障害の問題は乗り越えられると考えている。そして、講演の中で 50 年間あれば (再生のような) 治癒はできなくても、私のようなサイボーグ化によりこうした問題を乗り越えることができるとした。一例として 2007 年のイラクの紛争のさなか、左脚を失った陸軍のガース・スチュアート氏が電気とモーター、スプリングで作られた義足を使って歩けるようになったことを挙げた。
Herr 教授のやっていることは人道的観点から見ると矛盾している、との指摘もある。まずバイオメカトロニクス事業は単体では採算性が悪い。障害をもつ人物を生み出す原因であるイラクとアフガニスタン戦争によって作られた市場、そして戦争を引き起こした政府の補助金がなければバイオメカトロニクス業界は成立していない、とするものだ。
この指摘に対して、本家 /. のコメント欄では、戦争被害だけでなく交通事故など要因の事故もあるなどの議論が交わされている。
スラッシュドットのコメントを読む | ハードウェアセクション | テクノロジー | ハードウェア | 医療
関連ストーリー:
ロシアで「機械の体」の実現を目指した研究が進められる 2012年03月07日
「強化人間」の時代がもうすぐやってくる? 2012年02月02日
高性能なロボット義手/義足、自分の手足を切り落としてでも欲しい? 2011年09月01日
F1 チーム・メルセデス GP の援助でバイオニックアームを手に入れた少年 2011年08月17日
日英サイボーグ対決? 2003年03月03日