イオン、「シニアシフト」戦略を発表 シニア層への商品・サービス等を強化

2012年3月29日 11:07

 イオンは、2011年を起点とする3ヵ年のイオングループ中期経営計画(2011年度~2013年度)において、グループ共通戦略のひとつに、今後国内の個人消費を牽引するシニア層への商品・サービス等を強化し飛躍的な成長を目指す「シニアシフト」を掲げており、28日、その「シニアシフト」対応の取組みについて発表した。
 
 現在のシニア層の顧客は、行動的で趣味や消費活動にも積極的で、60歳以上のマーケット規模は年々拡大しており、個人消費全体の40%以上を占めると言われている。イオンは、これまでメインターゲットであったファミリー層に加え、シニア層のニーズを捉えて成長機会を獲得すべく、商品・売場・SC・サービスの4つの視点からイオングループ各社が持つ経営資源を生かし、シニアマーケットにおいても顧客から高い支持を得られるよう総力を挙げて取り組んでいる。

 商品においては、イオンのブランド「トップバリュ」において、高齢化を中心とした単身世帯の増加による「個食化」や「健康志向の高まり」への対応として、グループの弁当・惣菜専門店チェーンである「オリジン弁当」が持つノウハウを活用した「トップバリュ レディーミール」を販売。また、日本女子大学の大塚教授の協力の下、独自に60代女性の体型に基づいた着心地と、アクティブなシニア層のニーズに対応したデザインと機能性を兼ね備えた新しいレディースインナーなどを発売している。

 また、4月25日オープンのイオンモール船橋を皮切りに、化粧品では韓国のトップクラスのLG生活健康社と協業して、40代以上のスキンケアの新ブランド「THE GOLDENSHOP」の商品を世界に先駆けて販売開始するとともに、デザイン性の高い老眼鏡を取り揃え、業界では珍しい遠近両用メガネの即日渡しを実現し、購入しやすい価格で提供するイオン直営のメガネ店「オプトバリュ」を展開していく。

 売場においては、あらゆる世代の顧客により便利に買い物をしてもらえるよう、商品POPの文字の拡大や店内の案内表示の大型化、商品陳列の見直しなど一部店舗で実験に取り組んでおり、シニア層の顧客の声を取り入れながら順次他店舗へ導入していく計画。

 SCにおいては、4月25日にオープンするイオンモール船橋に、複数の診療科目を有した総合クリニックや、イオンクレジットサービスやイオン銀行、イオン保険サービスなどを集積し、ライフステージに合わせた保険や投資、ローンなど総合的なサポートをする「暮らしのマネープラザ」、カルチャースクールなどシニア層の顧客のニーズに対応した専門店を配している。

 サービスにおいては、イオンのネットスーパーのインフラを活用し、電話やFAXからも注文できる「とどくんです」サービスや、65歳以上の顧客限定のサービスが受けられる電子マネー「ゆうゆうWAON」を発行するとともに、シニア層の声をイオンの商品・売場・ショッピングセンター(SC)・サービスに生かすために、カードホルダーを中心としたモニター制度の導入を予定している。

 また、4月13日~15日に、イオングループの「シニアシフト」の取り組みを広く紹介する「GRAND GENERATION`S COLLECTION in TOKYO」を東京国際フォーラムにて開催する。この展示会では、イオングループ26社の商品からサービスに至るまで、新しい取り組みを中心にイオンならではの幅広い取り組みを紹介するとともに、来場者の意見を集め、今後のイオンの取り組みに生かしていくという。

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