シャープと新日鉄マテリアルズ、共同事業会社NSソーラーマテリアルを解散

2012年3月28日 18:38

 シャープは28日、太陽電池用多結晶シリコン原料製造販売を目的とした、新日鉄マテリアルズとの共同事業会社であるNSソーラーマテリアル株式会社について、2012年9月末に製造を中止するとともに、2014年3月末を目途に会社を解散すると発表した。

 新日鉄マテリアルズ及びシャープは、製鉄プロセスでの冶金技術を活かした、低廉な多結晶シリコン原料の製造販売を目的にNSソーラーマテリアルを2006年に設立し、運営してきた。しかし、多結晶シリコンは、世界市場の7割を占める欧州が債務危機を抱え、需要が停滞するとともに、中国等の能力増強により大幅な需給ギャップが生じたため、昨年半ばから市況が急落し、当分の間は回復が見込めない状況にあるという。

 こうした中でNSソーラーマテリアルは、事業継続を図るべく徹底したコスト低減等をおこなってきたが、収益確保の可能性は極めて厳しいと判断し、今回、株主間でNSソーラーマテリアルでの太陽電池用多結晶シリコン原料製造を中止し、会社を解散することで合意に至った。

 なお、これまでの開発・操業を通じて確立した、冶金法による多結晶シリコン原料製造技術については、評価する海外メーカーもあることから、設備及び特許を含む技術は売却していく予定。

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