【銘柄診断】ワタミはチャート面で13週移動平均線が戻りを押さえる形
2012年3月26日 09:35
【介護サービス関連銘柄診断】
ワタミ <7522> は持株会社として、国内外食事業(ワタミフードサービス)、介護事業(ワタミの介護)、高齢者向け宅配事業(ワタミタクショク)、海外外食事業、農業、環境事業などを展開している。
11年4月~12月期累計実績で見ると、国内外食事業は売上高が前年同期比5%減の577億円、連結調整前のセグメント利益が同7%減の27億円、介護事業は売上高が同28%増の207億円、利益が同28%増の36億円、高齢者向け宅配事業は売上高が同67%増の184億円、利益が同93%増の17億円、その他の事業(海外外食事業、農業、環境事業など)は売上高が同30%増の62億円、利益が1億円(前年同期は1億円の赤字)である。高齢者関連事業(介護事業と高齢者向け宅配事業)が収益柱となっている。
介護事業は、関東を中心に、介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ」の運営を主力として、高齢者マンション(住宅型有料老人ホーム)の運営、デイサービスなどを展開している。高齢者向け宅配事業は、調理済み弁当・惣菜や食材の宅配で、関東、九州、関西を中心として展開し、東海、中国・四国、甲信越、東北でも新規営業所の開設を積極化し、エリアを拡大させている。
12年2月末時点で見ると、介護事業の施設数は79棟、このうち既存施設(開設後13カ月経過)の入居率は92.1%となった。高齢者向け宅配事業の営業拠点数は257カ所で、2月最終週における調理済み弁当の平日1日当たり配食数は215千食(1月比16千食増加)となった。
12年3月期通期の連結業績の見通しについては、売上高が前期比11%増の1380億円、営業利益が同20%増の87億円、経常利益が同16%増の78億円、純利益が同24%増の35億円、予想EPS(1株利益)が87円44銭、年間配当が20.0円(第2四半期末10.0円、期末10.0円)としている。
株価の動きを見ると、東日本大震災時の安値圏から反発し、11年10月には昨年来高値となる1940円まで上昇したが、その後は反落して26週移動平均線を割り込み、足元では1700円~1800円のレンジでモミ合う展開となっている。
足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期会社予想ベースの連結予想PERは20倍近辺、予想配当利回りは1%台前半、11年3月期BPS(1株当たり純資産670円74銭)ベースの実績PBRは2倍台の水準である。
高齢者関連事業の収益が拡大基調であることを評価すれば、上昇余地があると考えられるが、足元の株価水準は指標面での割安感に欠け、チャート面では13週移動平均線が戻りを押さえる形となっている。高値圏から反落後の調整局面と考えられるだけに、反発にはきっかけが欲しいところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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