【外国為替市場展望:ユーロ・円相場】基調としてはユーロ高・円安の地合いが継続する可能性が高い

2012年3月25日 10:45

【外国為替市場フューチャー:3月26日~30日のユーロ・円相場見通し】

■ユーロ高・円安の地合い継続、1ユーロ=108円台~110円台を想定

  来週(3月26日~30日)のユーロ・円相場については、概ね1ユーロ=108台~110円台での展開を想定する。過度なリスク回避姿勢の後退などで、基調としてはユーロ高・円安の地合いが継続する可能性が高いだろう。

  スペイン国債の動向に注意が必要だが、ギリシャ問題に対する警戒感が大幅に後退したため、今後はユーロ圏の景気動向やECB(欧州中央銀行)の金融政策、さらには日米の金融政策に対する思惑などが焦点となりそうだ。したがって、4月4日のECB理事会などの重要イベントを控えて、様子見ムードを強める可能性もあるだろう。

  前週(3月19日~23日)のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=108円50銭近辺~111円30銭近辺のレンジで推移した。ギリシャ問題に対する警戒感が後退し、21日の海外市場では一時1ユーロ=111円30銭近辺に円が下落する場面もあった。しかし週後半にはユーロ高・円安一服の展開となった。日本の2月貿易統計が予想外の黒字だったこと、スペインの国債利回りが上昇したこと、中国とユーロ圏の景気減速に対する警戒感が強まったこと、さらに米住宅関連指標が低調だったことなどで、リスク回避の円買いが優勢になった。週末23日の海外市場で終盤は1ユーロ=109円30銭~40銭近辺だった。

  ユーロ圏に関する前週の動きを整理すると、ギリシャの国債償還を通過して警戒感が大幅に後退した。しかしスペインの国債利回りが上昇したため、新たな懸念の可能性として意識された。さらに、ユーロ圏3月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が47.7となり、2月の49.0に比べて低下して市場予想も下回った。特にドイツの3月PMIが大幅に低下したため、景気減速に対する警戒感が強まった。

  ギリシャ問題に対する警戒感が後退したため、基調としてユーロ高・円安の地合いに変化はないと考えられるが、ユーロ圏債務危機問題が根本的に解決したわけではなく、スペインやポルトガルが次のターゲットになる可能性も懸念されているだけに注意は必要だろう。

  また今後は、ユーロ圏の景気動向やECBの金融政策が焦点になると考えられるだけに、4月4日のECB理事会と記者会見、6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、9日~10日の日銀金融政策決定会合などの重要イベントを控えて、様子見ムードを強める可能性もあるだろう。

  当面の注目スケジュールとしては、26日の独3月IFO業況指数、米2月シカゴ連銀全米活動指数、27日の独4月消費者信頼感指数、米1月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、28日の独3月消費者物価指数速報値、仏第4四半期GDP改定値、英第4四半期経常収支、英第4四半期GDP確報値、ユーロ圏2月M3、米2月耐久財受注、29日のユーロ圏3月景況感・業況感指数、米第4四半期GDP確報値、米新規失業保険申請件数、30日の日本2月全国・3月東京都区部消費者物価指数、ユーロ圏3月消費者物価指数速報値、ユーロ圏財務相会合、米2月個人所得・消費支出、米3月シカゴ地区購買部協会景気指数、30日~31日のEU非公式財務相会合などがあるだろう。

  その後の注目イベントとしては、4月2日の日本3月日銀短観、ユーロ圏3月製造業PMI改定値、3日の豪中銀理事会、3日~4日のASEAN首脳会合、4日のECB理事会と記者会見、米3月ADP雇用報告、4日~5日の英中銀金融政策委員会、6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、中国3月PPIおよびCPI、9日~10日の日銀金融政策決定会合、10日の中国3月貿易統計などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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