日立や伊藤忠、インドにおける海水淡水化プロジェクトの共同開発契約を締結

2012年3月23日 17:34

 日立製作所と伊藤忠商事は22日、両社とHyflux Ltd.によって構成されるコンソーシアムが今回、インド・グジャラート州ダヘジ経済特別区における、海水淡水化プロジェクトによる水供給事業の実施に関する共同開発契約を、インド・ダヘジ経済特別区管理会社(Dahej SEZ Ltd.以下、DSL)との間で締結したと発表した。今後コンソーシアムは、同プロジェクトの実現に向けて引き続き協議を行っていく。

 同プロジェクトは、グジャラート州ダヘジの臨海工業地域に入居する企業への工業用水供給を海水淡水化により行うことで、工業用水供給不足を解決するプロジェクト。また、日本政府とインド政府が共同で進めている、デリー・ムンバイ間約1,500kmの間に民間資本を活用しながら工業団地などを整備する「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(Delhi-Mumbai Industrial Corridor Project:DMIC Project)」の一環となるもの。

 これまでコンソーシアムは、2009年12月の日印首脳会議での政府間合意を受け、省エネ・低炭素型のスマートコミュニティ構築を目的として進められている経済産業省の「平成22年度インフラ・システム輸出促進調査等委託事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査)」の下、事業化の検討を進めてきた。

 今回結んだ共同開発契約の主な内容は、ダヘジに建設されDSLが管轄する経済特別区内の工業団地に対し、コンソーシアムが工業用水を供給できる権利を得るというもの。今後、コンソーシアムは、水売買契約、融資契約(Finance Close:ファイナンス・クローズ)に関する協議を行っていく。

 同プロジェクトが実現した場合の規模は、海水淡水化プロジェクトにおいてアジア最大規模となる見込みであり、日立、伊藤忠、Hyfluxのコンソーシアムは、ダヘジ経済特別区における水資源有効活用に貢献していく。

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