【銘柄診断】松屋は動意づけば出来高を伴って急騰へ、需給面が支援材料
2012年3月11日 12:16
松屋 <8237> は、百貨店事業(銀座店と浅草店)を主力として、飲食事業、ビル総合サービス・広告事業、輸入商品卸売事業、その他事業を展開している。
12年2月期通期の連結業績の見通しについては、売上高が前期比9%減の710億円、営業利益が同47%減の8億円、経常利益が同52%減の7億円、純利益が同3.2倍の42億円、予想EPS(1株利益)が79円24銭、年間配当が無配としている。純利益については、特別利益に固定資産売却益43億円を計上していることが寄与する。
12年2月期の百貨店事業の月次売上動向で、既存店の売上高伸び率(前年同月比)を見ると、銀座本店(銀座店と浅草店の合計)ベースで、11年3月が31.6%減少、4月が15.5%減少、5月が12.9%減少、6月が6.4%減少、7月が8.6%減少、8月が12.4%減少、9月が5.6%減少、10月が3.3%減少、11月が3.4%減少、12月が1.5%増加、12年1月が3.4%減少となった。12年2月は速報値ベースで1.0%増加となった。浅草店は東京スカイツリー効果も寄与している模様だ。
株価の動きを見ると、11年1月の昨年来高値759円から、11年3月の東日本大震災後の昨年来安値352円まで下落した。その後は反発力が鈍く、大勢として400円近辺~500円近辺でのボックス展開だった。11年秋以降には450円近辺の小幅レンジでのモミ合い展開となったが、2月に入るとモミ合いから上放れて、ボックスレンジ上限の500円近辺も突破した。そして足元では600円台まで急騰し、東日本大震災前の水準に接近している。
足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期ベースの連結予想PERは7~8倍近辺(ただし固定資産売却益計上で純利益がイレギュラーのため参考にならない)、11年2月期ベースの実績PBRは3倍台の水準である。また需給面では信用倍率が0.1倍と大幅売り長の水準である。ファンダメンタルズ面や指標面では買いづらい水準であり、短期的な過熱感にも注意が必要だが、動意づけば出来高を伴って急騰する傾向も強いだけに、需給面が支援材料だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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