【外国為替市場展望:ドル・円相場】ドル高・円安の地合い継続を想定

2012年3月11日 12:14

【外国為替市場フューチャー:3月12日~16日のドル・円相場見通し】

■重要イベント通過後の動向が焦点

  来週(3月12日~16日)のドル・円相場については、12日~13日の日銀金融政策決定会合、13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)という重要イベント通過後の動向が焦点となるだろう。いずれも金融政策はほぼ現状維持で、サプライズは期待薄との見方が優勢の模様である。したがって基調としてはドル高・円安の地合いが継続する可能性が高いだろう。概ね1ドル=81円台~83円台のレンジを想定する。

  日銀の追加金融緩和と実質的なインフレターゲット明確化の効果に加えて、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長が議会証言で追加金融緩和に言及しなかったことで、基調としてドル買い・円売りの動きが強まっている。さらに9日の米2月雇用統計で、雇用情勢の着実な改善が確認されたこともあり、当面はドル買い・円売り優勢の展開だろう。

  前週(3月5日~9日)のドル・円相場は、概ね1ドル=80円50銭台~82円60銭台のレンジで推移した。ポジション調整の動きなどで円安一服の場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いだった。週後半には、ギリシャ問題に対する警戒感が後退し、米2月雇用統計の改善も受けてドル買い・円売りに弾みがつき、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落する場面もあった。9日の海外市場で終盤は1ドル=82円40銭~50銭近辺だった。

  ドル・円相場に関しては、ポジション調整の動きなどで円安一服の場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いとなっている。ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)が回避されてリスク回避姿勢が後退したこと、米景気回復期待で追加金融緩和策観測が後退していることに加えて、日本の経常黒字減少に対する懸念が高まっていることも、ドル買い・円売りにつながっている。

  1月25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明では低金利政策の長期化が示されたが、米主要経済指標の改善、特に雇用情勢の改善などで量的緩和策第3弾(QE3)観測は大幅に後退している。当面はドル高・円安の地合いが継続する可能性が高いだろう。そして世界的な金融緩和の流れの中で、3月12日~16日の週には日米で金融政策決定会合が開催される。日米両国の金融政策に対する思惑が焦点となりそうだ。

  当面の注目スケジュールとしては、10日の中国2月貿易統計、12日のユーロ圏財務相会合、EU財務相理事会、米2月財政収支、米3年債入札、12日~13日の日銀金融政策決定会合、13日の米2月小売売上高、米10年債入札、米FOMC(連邦公開市場委員会)、14日の中国全国人民代表大会(全人代)最終日、ユーロ圏1月鉱工業生産、米第4四半期経常収支、米30年債入札、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演、15日のスイス中銀金融政策会合、米3月ニューヨーク州製造業景況指数、米3月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、IMF理事会、16日のユーロ圏1月貿易収支、米2月消費者物価指数、米2月鉱工業生産、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。

  その後の注目イベントとしては、18日の中国2月主要70都市新築住宅価格、19日のユーロ圏1月経常収支、20日のギリシャ国債145億ユーロ償還期限、21日~22日のECB理事会、22日の日本2月貿易統計、米2月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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