アップル、iPhotoを提供開始 iMovieとGarageBandもメジャーアップデート

2012年3月9日 18:35

 米アップルは8日、iPadおよびiPhone用のiPhotoの提供開始と、iMovieとGarageBandのメジャーアップデートにより、iOS用のiLifeアプリケーションスイートを完成させたと発表した。

 iPhotoは画期的なMulti-Touch(マルチタッチ)機能を備え、簡単なジェスチャーで何百枚もの写真を分類しながらベストショットを見つけたり、指先をブラシのように使うことで画像を美しくしてレタッチしたり、あるいはiCloudを通じて美しいフォトジャーナルとして公開できる。iMovieでは新たに、iPadやiPhoneで撮影するHD映像からハリウッド映画の予告編のような素晴らしいムービーを作成できるようになった。GarageBandでは新たに、友人同士でiOSデバイスをワイヤレスで接続し、一緒に楽器を演奏して音楽をライブ録音できる革新的な楽しい機能であるJam Sessionを搭載した。いずれのアプリケーションも新しいiPadの美しいRetinaディスプレイの性能を最大限に活用し、驚くほどシャープでリアルな画像や映像を楽しめる。

 「iPhotoの投入により、ユーザの皆様にiLifeのすべてのアプリケーションがiOSで利用できるようになったことを喜んでもらえると思う。写真にブラシで効果を付けるにしても、予告編ムービーを作ったり、友人とジャムセッションを楽しみながら曲を録音するにしても、新しいiPhoto、iMovie、GarageBandを利用すれば、iPadやiPhoneで驚くような作品が作れる」と、Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、フィリップ・シラー氏は述べている。

 Appleの大人気の写真アプリケーションであるiPhotoは、iPadとiPhoneのRetinaディスプレイと直観的なマルチタッチジェスチャーを最大限に活用できるように、iOS用に完全に再設計されている。簡単なジェスチャーで写真を選び、横に並べて写真を比較しながらベストショットにフラグを付けられる。iPhotoでは写真の色・露出・コントラストを完全にコントロールして、画像内の変更したい部分を簡単に修正できる。Appleがデザインした美しいエフェクトをタップひとつで加えて写真のクオリティを高めたり、調整したい個所を指先ブラシで狙いどおりに調整することもできる。Facebook、Flickr、Twitterへの写真の投稿に加え、iPhoneとiPadの間で写真をワイヤレスで送信したり、AirPlayを通じて写真やスライドショーをApple TVにストリーミングしたり、iCloudを通じてウェブでフォトジャーナルを公開したりなど、自分のストーリーを全く新しい方法で友人や家族と共有できる。

 iMovieでは、iPadやiPhoneにあるHD映像を、撮影をしながらであっても、美しいハリウッド映画風の予告編ムービーに変えることができる。新しいシアタービューでは、フェアリーテイル、スーパーヒーロー、ロマンスといったジャンルで用意された9種類のテンプレートから選んで映像をプレビューできる。予告編機能では、アカデミー賞を受賞したハンス・ジマーを始めとする著名な作曲家と、ロンドン交響楽団ほかの世界一流の演奏者により作曲・演奏されたサウンドトラックが付いた、豪華でカスタマイズ可能なグラフィックで構成されている。作成した予告編ムービーはYouTube、Vimeo、Facebookで公開したり、AirPlayを使ってApple TVに最大1080pのHD解像度でストリーミングできる。

 GarageBandの新機能であるJam Sessionでは、3人までの友人を誘って参加してもらい、それぞれのiOSデバイスをワイヤレスで接続してグループで演奏・録音できる。Jam Sessionが各人のTouch Instrumentsのテンポ、キー、コードを自動的に合わせるため、全員のサウンドが素晴らしいものになる。ジャムセッションを終えると、各人のトラックが自動的に自分のiOSデバイスに集められ、編集やミックスができる。GarageBandは新たなTouch InstrumentsのSmart Stringsを搭載し、指一本で完全な弦楽オーケストラを演奏できるのに加え、新しいNote EditorではTouch Instrumentsの録音内容を、最初から演奏し直すことなく細かく調整して手直しできる。iCloudとの連係により、GarageBandの曲は手持ちのiOSデバイス間で常に最新の状態に保たれ、完成した曲はGarageBandから直接、Facebook、YouTube、SoundCloudに公開できる。

 また、Appleは、iOS用のiWorkもアップデートし、iPadの美しいRetinaディスプレイを最大限に活用して3Dグラフを利用できるようにした。今後はiOSデバイスでも印象的な3Dの棒グラフ、線グラフ、面グラフ、円グラフを作成・表示できる。Pagesは新たにiPhoneとiPod touchでの横向き表示に対応したほか、Keynoteには、絞り、シマー、ワイプ、炎、スウィング、カラーでフェードなどの新しいビルドとトランジションが追加されている。

 iPhoto、iMovie 1.3、GarageBand 1.2は各450円(税込)にてApp Storeを通じて販売される。また、Keynote 1.6、Pages 1.6、Numbers 1.6は各850円(税込)にてApp Storeを通じて販売される。なお、各アプリケーションの既存ユーザには無償アップデートが提供される。

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