【銘柄診断】ソディックはボックスレンジから上放れの兆しでトレンド好転の可能性

2012年3月3日 14:53

【工作機械関連銘柄特集】

  ソディック <6143> は、工作機械事業(放電加工機、マシニングセンタなど)を主力として、産業機械事業(射出成形機など)、精密金型・精密成形品事業(コネクタなど)、食品機械事業(製麺機など)、要素技術事業(セラミックス製品など)などを展開している。

  2月10日に11年4月~12月期累計の連結業績を発表した。売上高は前年同期比4%増の410億円、営業利益は同16%増の46億円、経常利益は同29%増の30億円、純利益は同67%減の10億円だった。被災したタイ工場関連で、特別利益に受取保険金12億円、特別損失に災害による損失25億円を計上した。またセグメント別に見ると、主力の工作機械事業は、売上高が同17%増の294億円、営業利益(連結調整前)が同29%増の55億円と好調だった。

  工作機械事業の四半期別売上高の推移を見ると、10年4月~6月が72億円、7月~9月が83億円、10月~12月が95億円、11年1月~3月が106億円、4月~6月が106億円、7月~9月が105億円、そして10月~12月が82億円だった。11年10月~12月には、洪水の被害を受けたタイ工場が操業を停止したため、生産体制が一時的に混乱した。なおタイ工場は12月中旬に一部操業を再開した。

  12年3月期通期の連結業績予想については前回予想(11年11月11日に下方修正)を据え置いた。売上高は前期比1%増の550億円、営業利益は同11%減の50億円、経常利益は同24%減の30億円、純利益は同61%減の20億円、予想EPS(1株利益)は40円39銭、年間配当は10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。洪水被害を受けたタイ工場の固定資産および棚卸資産の損害額については、保険金収入で充当される見込みとしている。

  なお通期予想に対する4月~12月累計実績の進捗率は、売上高が75%、営業利益が93%、経常利益が102%、純利益が55%である。タイ洪水で被災した影響を考慮しても、上振れが期待されるだろう。

  13年3月期には、タイ工場の一時生産停止と、それに伴う生産混乱の影響が一巡するため、高水準の受注も背景として業績改善が期待されるだろう。なお、連結子会社のソディックプラステック(ジャスダック6401、2月27日付で上場廃止予定)に対するTOBが成立し、株式交換によって完全子会社化(3月1日付)する。完全子会社化によってグループ競争力を強化するとしている。

  株価の動きを見ると、11年6月の昨年来高値477円から11年10月の昨年来安値309円まで急落した。その後は、概ね350円近辺~450円近辺でのボックス展開の形となっていたが、2月以降は、週足ベースで26週移動平均線を突破した形となり、足元では400円台後半に上昇している。ボックスレンジから上放れの兆しを見せており、トレンド好転の可能性が高まっている。

  足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期ベースの連結予想PERは11~12倍近辺、予想配当利回りは2%台、11年3月期ベースの実績PBRは1倍割れ水準、需給面では信用倍率が10倍近辺である。信用倍率の高さがやや難点だが、12年3月期業績の上振れ期待に加えて、13年3月期業績の改善期待を考慮すれば、上昇余地があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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