三菱重工、キャタピラージャパンの全保有株を365億円で譲渡 合弁事業を解消

2012年3月1日 17:43

 三菱重工業は1日、2012年度第1四半期で、三菱重工が保有するキャタピラージャパンの株式(発行済株式総数の33%)を全株、キャタピラージャパンに譲渡することで、米国キャタピラー社(本社:イリノイ州ペオリア市)およびキャタピラージャパンと合意したと発表した。譲渡額は365億円となる見通し。これにより、1963年以来続けてきた三菱重工とキャタピラー社の合弁事業は解消され、キャタピラージャパンはキャタピラー社の完全子会社となる。

 今回の株式譲渡は、2008年に行われた出資比率の見直しに続くもの。三菱重工はそれまで、キャタピラージャパンの前身である新キャタピラー三菱(SCM)株式の50%を保有していたが、その見直しにより、資本構成は三菱重工33%、キャタピラー社67%となった。三菱重工が保有する残りの株式についても、一定期間を経てキャタピラー社側に譲渡するオプションを付与していた。

 今回の合弁解消は、事業の選択と集中を進めたい三菱重工と、新興国市場を中心に事業のグローバル展開を一層加速したいキャタピラー社側との思いが一致したもの。三菱重工は今後も、自社の強みを発揮でき、かつ、高い成長が見込めるコア事業への経営資源の集中を推し進め、企業価値の一層の向上を目指していく。

 なお、三菱重工とキャタピラー社は現在、三菱、キャタピラー両ブランドのフォークリフト販売など多方面で友好な関係にあるが、それらは今後も維持していく。

 三菱重工とキャタピラー社の建設機械合弁事業は、1963年11月、折半出資によりキャタピラー三菱株式会社を設立したことに始まる。当初、合弁会社は、キャタピラー社の技術援助によるブルドーザー、ホイールローダーの製造と国内向け販売事業を展開した。その後、1987年に三菱重工油圧ショベル事業の移管を受け、商号も新キャタピラー三菱に変更、2001年には三菱重工の建設機械事業の大部分(小型建設機械、クローラキャリア、アーティキュレートダンプなど)も事業に加え、フルラインメーカーとなって事業の拡大をはかった。さらに2008年の出資比率の見直しにより、商号をキャタピラージャパンに変更するとともに、アジア地域での戦略的拠点となって今日に至っている。

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