【銘柄診断】東京エレクトロンはモミ合い展開だが上放れの可能性も

2012年2月25日 13:11

【半導体・液晶・太陽電池の製造装置関連特集】

  東京エレクトロン <8035> は、半導体製造装置(SPE)事業(コータデベロッパ、プラズマエッチング装置、成膜装置、洗浄装置、ウェーハプローバなど)、FPD・PV(フラットパネルディスプレイ・太陽電池)製造装置事業(コータデベロッパ、プラズマエッチング装置、プラズマCVD装置など)、電子部品・情報通信機器事業(半導体など)を展開している。

  2月3日に11年4~12月期累計の連結業績を発表した。売上高は前年同期比5%減の4555億円、営業利益は同37%減の429億円、経常利益は同35%減の467億円、純利益は同47%減の274億円だった。

  セグメント別に見ると、SPEは受注高が同20%減の3311億円、売上高が同4%減の3399億円、営業利益(連結調整前)が同25%減の638億円だった。FPD・PVは受注高が同68%減の157億円、売上高が同3%減の533億円、営業利益(同)が同38%減の35億円だった。半導体メーカーや液晶パネルメーカーなどの設備投資抑制の影響を受けて、いずれも減収減益だった。電子部品・情報通信機器は受注高が同9%減の625億円、売上高が同8%減の619億円、営業利益(同)が同19%減の16億円だった。その他を含む全社ベース合計受注高は同23%減の4097億円だった。

  12年3月期通期の連結業績予想については、前回予想を据え置いた。売上高は前期比6%減の6300億円、営業利益は同42%減の570億円、経常利益は同41%減の605億円、純利益は同44%減の400億円の見通しとしている。予想EPS(1株利益)は223円30銭としている。

  SPEの四半期受注高の推移を見ると、10年4~6月が1332億円、7~9月が1502億円、10~12月が1286億円、11年1~3月が1558億円、4~6月が1126億円、7~9月が735億円、10~12月が1449億円となった。FPD・PVは同様に114億円、224億円、152億円、263億円、89億円、17億円、50億円となった。いずれも11年7~9月をボトムとして回復傾向となっているが、半導体市況の回復遅れ、液晶パネルや太陽電池パネルの供給過剰などで、12年1~3月以降の受注については弱含む見通しとしている。

  株価の動きを見ると、11年1月の昨年来高値5780円から11年10月の昨年来安値3325円まで下落したが、下値を固めて急反発した。足元では概ね4000円台前半でのモミ合い展開だが、週足ベースで26週移動平均線がサポートラインの形となって、徐々に下値を切り上げている。

  足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期ベースの連結予想PERは19~20倍近辺、予想配当利回りは1.8%台、実績PBRは2倍台前半、需給面で見れば信用倍率は1.1倍台である。受注回復を先取りする傾向が強いだけに、13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドとなる可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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