「分割型睡眠」こそ人間に適した睡眠パターンという説

2012年2月24日 19:43

danceman 曰く、 人が夜中に目を覚ますことなく8時間眠り続けるのは不自然であり、元来人間にとっては睡眠の途中で起き出して、また眠りにつくという二峰性の分割型睡眠が適しているとのこと。これは科学的にも歴史的にも証明されているのだという(本家/.BBC News記事)。

 1990年代に精神科医のThomas Wehr氏が、被験者グループを毎日14時間、暗闇状態の部屋に入れるという実験を1ヶ月間続けたところ、被験者らの睡眠パターンは4週間目で分割型睡眠に変化していったとのこと。被験者らは4時間寝たところで目を覚まし、起きた状態が1、2時間続いた後でまた再び4時間寝るという特異な睡眠パターンに落ち着いていったのだそうだ。

 また歴史家のRoger Ekirch氏の著書「At Day's Close: Night in Times Past」は分割型睡眠にまつわる文献を500以上も紹介しているのだが、これによれば昔の人は夜中に起き出してトイレに行ったり、タバコを吸ったり、なかには近所の人に会うために出かけていく人もいたとのことで、寝ている途中で起き出して活動することは「ごく当たり前に」行われていたのだそうだ。

 だがこうした分割型睡眠の習慣は、街灯及び家庭用照明の発達により、17世紀後半頃から徐々になくなり始め1920年代には社会意識から完全に消滅してしまったのだという。

 Ekirch氏によれば、持続型不眠症などの睡眠障害の多くは、元来人の体が分割型睡眠に適していることに起因しているのではないかとのこと。

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