個人情報保護のための「忘れられる権利」、欧州と米国の衝突は避けられない

2012年2月17日 10:00

 danceman 曰く、

 欧州委員会は 1 月末に、インターネット上における個人情報保護ための「忘れられる権利」を盛り込んだ法案をまとめた。「忘れられる権利」とは、利用者がネット事業者に対して情報の削除を要求できる権利である。もし同法案が通過すれば、プライバシーの保護と言論の自由のバランスの取り方を巡って、欧州と米国が激しく衝突するのは避けられないだろうとのこと (Stanford Law Review の記事本家 /. 記事より) 。

 「忘れられる権利」をカテゴリー別に分けると、「私」がインターネット上に掲載した個人情報を削除する権利、インターネット上に掲載された「私の」個人情報を他人がコピーしてその人のサイトに再投稿したものを削除する権利、他人が掲載した「私の」個人情報を削除する権利の 3 つがあるが、同法案は全カテゴリーを包括的に網羅しているという。だが「報道、または芸術や文学的表現を目的としている」場合においては削除の要求に応じなくてもよいとする抜け穴があるのだそうだ。

 とはいっても、削除が要求されている情報がどのような目的に使用されているかの線引きは難しいだろう。しかも罰金 100 万ユーロの支払い命令を下される可能性があるため、線引きの判断が難しいような曖昧なケースの場合は削除要求に応じてしまわざるを得ない可能性があるという。100 万ユーロは Facebook の年間収益の2%程にも及ぶとのこと。

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