ソニー、「認証型コンセント」を開発 電力を利用者や機器ごとに管理
2012年2月14日 17:03
ソニーは14日、電気を利用する際に必ず通るインフラである「コンセント」に着眼し、ユーザーが能動的に電力管理や電力制御をしながら利用できる「認証型コンセント」を開発したと発表した。
具体的には、非接触ICカード技術NFC/FeliCaを応用して電気機器認証を行う「認証型コンセント: FeliCaタイプ」と、新技術「電力線重畳通信技術」により、電源ケーブルを介して電気機器認証を行う「認証型コンセント:電力線重畳通信タイプ」を開発した。
「認証型コンセント」は、機器側のプラグへ非接触ICチップを搭載し、コンセント側に非接触ICカードリーダー/ライターやコントローラー、通信インターフェース等を組み込むことで、電気機器がコンセントに接続された際に、電気機器または利用者を判別、認証し、電力との関連付けを可能とするもの。FeliCaの暗号通信技術を適用することで、なりすましを防ぎながら高速かつ正確に機器を認証する。電気機器ごとの電力利用管理から、使用する機器を通して利用者の電力利用状況(電力量や利用履歴)も管理することができる新たな制御システムの構築が可能となる。また、将来的には電力利用データを活用した新たなサービスの展開も期待できる。
「認証型コンセント:FeliCaタイプ」は、機器のプラグにアンテナと接続されたICチップを内蔵し、コンセント側にはアンテナと接続されたリーダー/ライターやコントローラーを組み込むもの。また、「認証型コンセント:電力線重畳通信タイプ」は、新開発の「電力線重畳通信技術」を従来からの非接触ICカード技術と組み合わせたもので、「認証型コンセント」の活用範囲を広げる。
この技術開発を元にして、ソニーは、今後利用者ごとに最適な電力利用を実現するために必要な機器やシステムについて実用化を図る。また、省エネ対応にとどまらない新たなサービスの創造を目指して、各種サービスのトライアルや検証と、これら製品・サービスに関わる技術・サービス仕様の策定を、賛同する事業者と共に推進していく方針。
今後、「認証型コンセント」が普及すると、利用者は新たに電気機器(家電製品や電気自動車など)の所有者の認証、機器ごとの電力管理・利用、電力利用の許可、過去の電力利用履歴の記録や、電子マネーとの組み合わせによる電力課金・決済などが出来るようになる。