米アップル、中国工場で従業員の労働環境を調査 公正労働協会に要請

2012年2月14日 14:35

 米アップルは13日(現地時間)、米国の「公正労働協会(Fair Labor Association:FLA)」がアップルの要請により、中国の深圳市と成都市にあるFoxconnの工場を含むアップルの最終組立サプライヤーの特別自主監査を行うと発表した。FLA会長のAuret van Heerden氏をリーダーとする労働権の専門家チームが月曜朝、Foxconn Cityとして知られる深圳市にある工場の第一回目の査察を開始した。

 アップルのCEO(最高経営責任者)ティム・クック氏は、「私たちはどこで働く労働者も安全で公正な労働環境で働く権利を持つと信じている。だからこそ、FLAに当社最大のサプライヤーの労働環境を独自に評価していただくよう要請した。現在行なわれている査察は、その規模、範囲ともにエレクトロニクス業界で前例のないもの。また、FLAが今回特に報告書の中で具体的にどの工場であるかを明らかにすることに同意してくれたことに感謝している」と述べている。

 独自評価の一環として、FLAは何千人もの従業員に対して、健康、安全、給料、就業時間そして経営者側とのコミュニケーションを含む労働条件および生活条件について聞き取り調査を行う。FLAのチームは製造現場、寮その他の施設を査察し、雇用のすべての段階における手順に関する書類を広範囲にわたり調査する。

 アップルのサプライヤーは事業所への無制限の立ち入りを含め、FLAに全面的に協力することを誓約している。FLAの第一回の評価の結果と推奨事項は、3月初めに同協会のウェブサイトに掲載される予定。同様の査察はこの春、QuantaとPegatronの工場でも行なわれる予定で、それが完了すると、アップルの製品の90%以上が組み立てられている工場がFLAの評価を受けたことになる。

 アップルは2006年以来毎年、そのサプライチェーンにあるすべての最終組立工場を監査しており、その中には40件以上のFoxconnの製造および最終組立工場の監査も含まれている。過去5年間にアップルがそのサプライチェーン全体にわたり行なった500件以上の工場監査の結果を含むアップルのサプライヤー責任プログラムの詳細は(http://www.apple.com/jp/supplierresponsibility/)で閲覧できる。

 1月、アップルはFLAに加盟した最初のテクノロジー企業となった。FLAは、加盟企業の製品が作られるどの場所においてもFLAの職場基準が遵守されていることを確認するために独自の査察と検証を行なっている。

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