中国に自動車解体リサイクル会社を豊田通商が設立

2012年2月2日 11:00

 豊田通商が、有限会社昭和メタルと合弁で中国四川省成都市に自動車解体リサイクル会社、「成都聚源?再生資源回収有限公司」を設立することに合意したと発表した。最大処理能力2000台から3000台/月の先進的工場建設を計画しており、2012年春から建設に着工、同年秋頃には完成する見込みだという。

 現在、中国では使用済み自動車(以下、ELV)について、手作業、人海戦術が中心での処理作業のため時間を要しており、また、環境対応が万全とは言えない状況にある。そこで、中国内主要地域を調査した結果、中国国内でELV処理ニーズの高い四川省成都市においてリサイクル会社を設立することにした。

 同社は日本国内では約40年前からELVのリサイクル事業に取り組み、バリューチェーンを築いてきた。その経験を武器に、今回設立するリサイクル工場を足がかりとして、他地区においてもリサイクル会社の設立を計画、中国においてもELVリサイクル・バリューチェーンの構築を目指す方針だ。

 新興国での需要拡大が進む自動車。中でも中国は、2011年は成長率が鈍化したとはいうものの、1800万台を超える生産を続けている。その為、今後2020年には4.5倍以上に拡大すると予想されるELVの、効率的且つ環境対応をした処理が必須である。そこに、既にアジア諸国で20社以上、中国国内だけでも10社以上の関連会社を持ち、すでに現地の事情に明るい同社が、名乗りを上げた形である。

 アジア自動車産業は2011年の生産・販売が前年比5から6%増、2012年は8%増との予測がなされている。ELVという性質上、その波はすこし遅れてくるであろう。自動車の技術・生産・販売で世界を席巻した日本である。次は、その解体・リサイクルの分野でもイニシアチブを取っていけるのか。成長著しいアジア圏でその為の種をまく時期は、今が最適なのかもしれない。

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