JFEとIHI、傘下の造船子会社が10月に合併へ

2012年1月31日 12:14

 JFEホールディングスとIHIは30日、それぞれが傘下に持つユニバーサル造船とアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドの経営統合について検討してきたが、今回ユニバーサル造船の株主である日立造船を加えた5社が経営統合に係る基本的事項について合意に至り、統合基本合意書を締結したと発表した。

 経営統合の効力発生日は2012年10月1日の予定。経営統合の方式は、ユニバーサル造船を存続会社とする合併による経営統合となる。

 JFEとIHIは、2008年4月に、それぞれの子会社であるユニバーサル造船とIHIマリンユナイテッドの統合検討開始について合意したが、リーマン・ショックに始まる金融危機等により造船事業を取り巻く環境が大きく変化したため、事業前提の見直しが必要となり、そのために長期の検討期間を要することとなった。

 しかし、中国造船所の著しい規模拡大と世界の新造船需要の急減により生じた世界的な需給ギャップや、1ドル70円台の超円高等の厳しい事業環境の中、韓国、中国造船所との激しい受注競争に打ち勝ち、日本において造船事業を継続するためには経営統合が必要との4社の認識は変わらず、鋭意協議を続けた結果、ユニバーサル造船の株主である日立造船を加えた5社で経営統合に向けた基本合意に至った。

 経営統合により発足する新会社は、ユニバーサル造船及びIHIマリンユナイテッドがそれぞれ有する設計能力の結集による開発力の強化や造船所の特性を最大限に活かした最適生産体制の追求により、新造商船事業を中心に艦船事業、エンジニアリング事業、ライフサイクル事業等のバランスのとれた競争力及び収益力の強化を図り、総合力業界トップの地位確立と更なる成長戦略の実現を目指す。

 経営統合により、両社船種を併せることによる商品ラインナップの拡充、造船所毎の船種集約による生産性の向上、省エネ・環境対応技術の結集による新商品開発のスピードアップ、規模拡大によるロット対応力の強化、資機材調達力の拡大、管理部門の統合による効率化等のシナジー効果が期待できるという。


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