全日空、ボーイング787で新規路線の開設進める 2012年度航空輸送事業計画
2012年1月20日 18:10
全日本空輸(ANA)は17日、2012年度の航空輸送事業計画を策定したと発表した。2012年度においては、今後の厳しい競争環境変化に対応し、勝ち残るための土台作りの年として、需給適合の強化や機材稼動の最適化などによりさらなる効率化を推し進めつつ、太平洋路線におけるユナイテッド航空(コンチネンタル航空含む)との共同事業(以下JV)および日欧間におけるルフトハンザドイツ航空とのJVの枠組みも活用し、国際線長距離路線の拡充や接続需要に重点を置いた「ネットワークキャリア」としてのビジネスモデルの強化を図っていく方針。
国際線事業では、順次増機するボーイング787長距離国際線仕様機を活用し、成田=シアトル線を新規開設する。開設時期は2012年度下期を予定している。また、シアトル線に続く新規路線として、2012年度中の開設を目指し、成田=サンノゼ線の開設準備を進める。北米線の更なる拡充により、ユナイテッド航空(コンチネンタル航空含む)とのJVによるネットワークをさらに強化し、日本・北米間の需要のみならず、今後も増加が見込まれるアジア・北米間の日本経由の接続需要の取り込みを強化すべく、乗継利便性も高めていく。
また、サマーダイヤ期間中、成田=北京、関空=北京線の大型化(ボーイング767-300ER運航)および中部=上海(浦東)線の再開を実施する。また、日中航空交渉の合意後に羽田=北京・上海(虹橋)線の増便を計画する。
国内線事業では、ボーイング787の積極活用を推進する。ボーイング787は、2011年度就航の羽田=岡山・広島・伊丹・山口宇部・松山の5路線に続き、2012年5月に羽田=福岡・鹿児島線に投入する。上期中にはさらに羽田=熊本線への投入も計画し、下期以降も受領スケジュールに応じて順次投入路線を拡大していく。
さらに、岩国空港の民間利用再開を受け、2012年度下期に、48年ぶりの岩国空港発着定期便となる羽田=岩国線(1日4往復)を開設する。また、日中航空交渉成立までの発着枠の暫定利用などにより羽田発着路線の拡充に努め、羽田=函館線の増便などを実施する。
加えて、伊丹空港発着枠の追加利用が可能になったため、伊丹=仙台・新潟・福岡・大分線の増便、伊丹=福島線の開設を計画する。また、機材稼働の効率化を進め、成田=新潟線の開設、福岡=宮崎線の再開、福岡=新潟線の増便等、その他の路線についても拡充を進め、利便性向上を図っていく。
貨物郵便事業については、2011年度に引き続き、貨物専用機による沖縄深夜貨物ハブの安定運用と、昼間帯の中国・アジア路線を中心とした貨物専用便の充実を図るとともに、ボーイング787の展開に合わせた旅客便のネットワーク拡充に伴う貨物スペース(ベリー)の生産量増加により、より一層のネットワーク強化を進める。