ガイトナー米財務長官が「中国・イラン経済制裁、為替政策」で『本音』を漏らす

2012年1月18日 20:03

■「霞ヶ関発・兜町着」直行便

  12日、安住財務大臣と訪日中のガイトナー財務長官による共同記者会見が行われたが、ガイトナー長官は、内外記者団の質問に次のように答えた。

  1.北京に行ってきたが、中国の経済成長はより持続可能なペースまで緩やかになってきているが、まだまだかなり高い経済成長だ。(中国経済はリスクを含んだ経済成長を続けているということか)

  2.アメリカはここアジアにおいて大きな経済的なプレゼンスを持っている。この地域の経済成長はアメリカ経済の強さの源であり、この地域でのアメリカのプレゼンスを高め、金融と経済の結び付きをより緊密にしていくことを計画している。(環太平洋国家を目指して行くとの意思表明)

  3.イラン中央銀行を国際金融システムから切り離し、石油収入を減らすといった方法を含め、イランの政府に国際義務遵守をどう働きかけていくかということについて、日米がどう協力できるか、その方策を検討した。日本は、この最もダイナミックな地域において、安全保障や経済の面で、アメリカにとっての最大の同盟国だ。日本は、我々が直面するあらゆるグローバルな経済・金融の重要課題について、非常に重要なプレーヤー。日本の財務省、経済当局とは、とても緊密な協力関係を持っている。(金融面での協力、連携を一層協調か)

  4.ヨーロッパは大変厳しい道のりが控えていて、これから取り組まなければいけない仕事がかなり残されている。しかし、彼らはより強固な財政協定の成立、金融システムの強化、財政改革、経済成長強化のための改革に向けて進展を見せており、これら全てを達成させることがヨーロッパをより強くすることの必要条件。しかしそのためには、ヨーロッパがより強力な金融面でのファイアーウォールを構築することによって、ヨーロッパの国々の改革を下支えすることが必要。このような金融面でのバックストップを強化し、マーケットに対して信頼の置けるものにしていくということが非常に重要だ。IMFは大きな役割というのをヨーロッパの多くの国々の戦略について果たしてきた。それがIMFにとっての任務だ。そして我々は、より強力なヨーロッパの対応を支援し補完するという文脈において、IMFがより大きな役割を果たすことを完全に支持する。(言葉は丁寧で意を尽くしているが、何かよそよそしい。アメリカはヨーロッパの経済危機に真剣に立ち向かう気があるのか)

  5.為替レート、為替市場については、コメントはないが、次のことだけは言える。アメリカは、より柔軟な為替レートへの移行に関する、G20の新興諸国のより強力なコミットメントについて、日本と重要な利害を共有している。これが重要なのは、新興国通貨で現在過小評価である通貨が、今後、主要国通貨、つまり、対ドルレート、対円レート、そして対ユーロレートで増価し続けることを我々が望んでいるからだ。(「増価」とは、つまり「ドル安」のことだろうが、ここにアメリカのしたたかな為替政策がはっきりと見て取れる)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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