ネズミで実験成功、若い血で損傷した髄鞘を再生

2012年1月18日 11:30

 eggy 曰く、

 ケンブリッジ大学の Julia Ruckh 氏率いる研究チームは、若いネズミの血流を使って、老ネズミの損傷した髄鞘 (ずいしょう) を再生させる実験に成功したとのこと (New Scientist の記事本家 /. 記事doi:10.1016/j.stem.2011.11.019より) 。

 若いネズミの血を老ネズミに輸血したところ、老ネズミの幹細胞が活性化し髄鞘の再生が行われたとのこと。また若いネズミの白血球マクロファージが老いたネズミの髄鞘損傷部に集まり、病原体および損傷した髄鞘を含む組織の破損部を食べたとのこと。損傷部が残ったままだと再生が妨げられてしまうため、このように「掃除」することは重要なのだそうだ。

 神経細胞の軸索を覆う絶縁性の髄鞘に損傷が起きると、神経パルスの電導性が低下し神経の情報伝達に支障をきたしてしまう。また幹細胞によって髄鞘の再生が行われるのだが、その効率は年齢とともに低下してしまうのだそうだ。脳や脊髄といった中枢神経に髄鞘の損傷が起きてしまう深刻な多様性硬化症の治療に、若い血が使われるようになるのかもしれない。

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