縮小続く呉服小売業界 一部で明るい兆しも

2012年1月10日 11:00

 呉服小売市場は2011年の見込みが2880億円と前年(3100億円)に比べ7.1ポイント減少することが矢野経済研究所の調査で分かった。同研究所では「厳しい状況ながら、着付け教室が着物の購買意欲を刺激し、晴れの場での需要が中心になっていた市場がパーソナルでカジュアルな着物という新たな需要を生む可能性がある」と「一部で明るい兆しもみえる」としている。

 呉服の小売業界は1981年のピーク時には1兆8000億円近い市場だったが、毎年、減少を続け、2010年には6分の1近くにまで縮小した。2005年(6100億円)に比べても2分の1に縮小している。

 このため業界各社では商品開発のスピードを緩め、収益の改善に努めているという。また、販売チャネル別では2010年の同研究所推計で、チェーン専門店が32.3%でトップ、次いで一般小売店(24.8%)、直販・インターネット(15.6%)、リサイクル(9.7%)などと続き、百貨店は7.4%にとどまっていた。(編集担当:福角忠夫)

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