三菱商事、ペルーのリン鉱石鉱山開発プロジェクトに参画 肥料需要に対応

2012年1月6日 11:05

 三菱商事は5日、インド大手肥料メーカーであるZuari Industries Limited(以下ズアリ社)と共に、ペルー大手セメント会社であるCementos Pacasmayo S.A.A.(以下パカスマヨ社)の子会社であるFosfatos del Pacifico S.A.(Fospac以下フォスパック社)社が権益を保有し、開発を進めているペルー国ピウラ郡バイオバール地区におけるリン鉱石鉱山開発プロジェクトに参画するため、フォスパック社株式を取得したと発表した。

 三菱商事とズアリ社は、シンガポールに共同で設立した特別目的会社MCA Phosphates Pte. Ltd.(エムシーエー フォスフェーツ社)を通じて、フォスパック社株式の30%を取得。三菱商事のフォスパック社株式持分は実質21%となる。同時に、三菱商事はフォスパック社が生産するリン鉱石の輸出数量全量を20年間に亘り引取る権利を取得し、世界市場に販売していく。年間生産量は約250万トンで、2015年に操業を開始する予定。三菱商事の同権益の取得金額を含めた総投資金額は約100億円となる。

 世界的な人口増による食料増産、経済発展による食肉消費量の増加に伴う穀物需要の増加、加えてバイオ燃料の需要増大、耕地面積減少などの要因により、肥料需要の成長は年率3~5%で増加する見通しとなっている。

 肥料の主原料であるリン鉱石は、産出国が限られることによる寡占化、資源の枯渇、最大生産国である中国の輸出制限等により、今後需給が逼迫すると予想されている。ペルーのリン鉱石は内陸輸送コスト、深度が浅いことによる採掘コスト等に優位性があることから、世界市場における同資源の希少性、偏在性も相まって新規ソースとしてプレゼンスが高まることが期待されている。

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